「おわ、先輩大遅刻ですよ」
昼代を霧野に返していたら、私と同じ時間帯担当の先輩が遅刻してやってきました。
「悪い。」
お前のクラスの喫茶店がなかなか良くてよ。
と言ってくれたから、まぁいいか…どうせ人来なかったし。と許してあげた。
「まぁ、この時間人来ないし彼氏と遊びに行ってきていいぞ。」
「彼氏じゃありません。彼氏じゃありません。彼氏じゃありません。大切なことなので三回言いました。」
何を勘違いしたのか霧野を彼氏と言い出した先輩に全否定すると、先輩が笑った。この、笑うとこじゃないぞ。
そして、霧野怖い顔するな。私と恋人と間違われたことが嫌なのはよくわかってる。私ちゃんと分かってるから睨んでくれるな。
私は心の中でそう念じた。
重解
『まぁ、暇どうし遊んでこい』
と、先輩に××と人波にほっぽられた俺は、仕方なく××と行動している。
さっき全否定したからいやがるだろうと思っていたのに、××は楽しそうに横であっち行こうこっち行こうとはしゃいでいる。
たく、なんなんだ?
「霧野、」
いきなり名前を呼ばれてビクっとなりながらも××と目を合わせれば、にこにこ笑ってる。(今までこんな顔を見せたことないくせに…)
「なんだよ」
「文化祭って楽しいね。霧野付き合ってくれてありがとう」
「…うん」
にこにこしながら、俺の名前を呼ぶ××を可愛いと思った。今まで見たことのない一面を見て、ビックリしただけだろう。
そう思いながら、改めて××を見てみると、小学生の時にはなかった女の子が見え隠れしている。
「あっ、写真館だって面白そう。行くぞー霧野」
うわっ、だから行きなり引っ張るな。いつもこいつは…
って思ってんのに何で俺いやがってないんだろ…。
今日くらいは最後まで××に付き合ってやりたくなった。
(コスプレでもして撮とか言い出すと思ってたのに、制服のままで撮ろうと案外普通なことを言った。)