「うげっ、」
腐れ縁。というやつなのか、霧野と3年から6年まで同じクラスという素晴らしい過去を胸に、私は新しい世界、私立雷門中に進学した。
これでやっと、やつとおさらばだ。おさらば…あぁぁぁぁっ!!
のはずだったのにさ、
「なっなぜに神童君がいらっしゃるん?神童君がいるってことは霧野もセットでいるってことじゃないぃぃっ。あっ、おはよう」
「おはよう。色々言いたいことはあるけど、とりあえず言うなら、霧野もこの学校に進学しているし、××と同じクラスだ。」
渡されたペラ紙に目を通すと、神童君、霧野、私が同じクラスであるという最悪な事実が示されている。
「うぅ…馬鹿だ私。雷門がサッカーの名門だってこと完璧忘れてたよ。」
ぐしぐしと袖で涙を拭いて、神童君にありがと と一声かけてあいつが現れる前に走って逃げた。
恒等式
「ふふふ、なんでまた斜め前にお嬢さんがいるんだ…」
入学式も無事に終わり、クラスで自己紹介が始まりました。自己紹介+委員会決めらしいので、かなり面倒であります。しかも委員会に加え生徒会にクラス一名出さなければいけないらしい。あぁ、絶対やりたくないわ。
「喧嘩なら買うよ」
お嬢さんという単語に反応したピンク髪に思考を現実に戻された。
「なにおうっ、こんちくしょう。その髪ユルフワにしてやるぞ」
そんな下らない口喧嘩を神童君にみっともないからと止められた。むぅ、だってムカつくし。
「自己紹介も終わったので、委員会を決めたいと思います。自分から言うもいいし、推薦してもいいですよ」
先生の一言にざわざわっとなる教室。ふぅーこのざわざわ感大好き。
「どしようかな…」
早速友達になった隣(霧野の後ろ)の可愛こちゃんと図書やら美化やら相談しよ。あわよくば同じ委員会でもっと仲良くなって…うふふ、楽しい委員会の時間が目に見える…
「先生、俺××さんを生徒会に推薦します。」
「うぉ、なんということをやめろ今すぐ取り下げろ!!」
ふっ、世間は冷たいものさ。ぎゃんぎゃん騒ぐ私を無視して、OKサインの拍手が沸き上がった。
「霧野てめぇ…覚えてろ畜生」
どっかの泣き虫が移っちゃったみたいだ。そうだ、朝一番で話したときに移ったんだな。
泣きはしなかったが、涙の溜まった目で霧野を睨んでやった。
(絶対文化祭で女装させてやる!!)