「あのー姉様?」
「気にしない気にしない」
呼び出されたかと思ったら、いきなり服を剥ぎ取られ、女の子っぽい服を着せられた。
温かい腕の中
なんで?と聞いたら、
買い出し班でしょ?と言ってにっこり笑わらった姉様はとても綺麗だった。
「姉様ってやっぱり綺麗だなぁ」
「もう、ほめても何も出ないわよ」
そう言いつつ上機嫌な姉様にギューと抱きつかれ、改めて胸のサイズの違いを確認する。
このまま抱きついていれば、サボれるかな?と思って私も抱きついてみる。
どうかこのまま時間よ過ぎてくれ。なぜならば今日の買い出し班は、2番隊もいるのだ。つまり、隊長のエースも居ると言うこと。かなり気まずいです。
買い出しならマルコの居る一番隊が良かった…マルコ機嫌が良いとお菓子買ってくれるし。
「いつまで待たせんだ。」
時間が過ぎて行くのはいいんだけど、思わぬ人が迎えに来てしまった…
「2番隊隊長…」
「あら、エース。ごめんなさい」
はい。と小動物引き渡しみたいに私をエースに押し付ける姉様。
無言で受けとるエース。
汗がだらだら流れる私。
引きずられるようにつれていかれる私に、行ってらっしゃいお土産よろしくね。と手を振る姉様。
畜生っ一番厄介なパターンじゃない。
今回の買い出しは、結構大がかりだった。
船の補強に使う木材とか、そういう大きなものがあるから、隊規模買い物に行かなくてはならなかったのです。
こんな大がかりな買い物はじめてで、周りの人の目線がかなり痛く感じた。
「む、流石に私じゃ持てないもんね。」
荷物持ちに使えないからと、私は別行動することになった。補助で数人付いてくれるから嬉しいんだけど。
なにより、エースから離れられた。
さっきまでなぜかエース担がれてたものだから(これも視線が痛かった)、解放感がハンパない。スキップして海をも渡れる気分(気分だけだけどね)。
「買い出し終了?」
「そうっすね。おれ、買いたいもんあるんで先帰っててくださいよ」
「おれもある。○○、一人で帰れるな?」
「うん」
何やら皆さんは買い物があるらしく、私は荷物を持たされ一人帰ることになりました。
なんか嫌な予感がする展開だな。
「なんで、こーなるの?」
嫌な予感っていうものは結構当たるみたいで、賞金稼ぎのお兄さんに今まさしく追いかけられてる真っ最中です。
細い道をくねくね曲がりながら、港にはちゃんと近づいているのだけど、遠回りだから中々つかない。
お兄さんたちは、中々諦めないし。
悲しいことに体力も限界に近づいてきている。かと言って、混雑する大通りをいけばこの体格。あのごった返した道に突っ込んでも跳ね返されるだけだ。そしたら捕まる。
スピードは出る体格だけどこう言うときは不便だな。
細いなら細いで極端に細かったらお兄さんたち引っ掛かるかな。でも、この広さだとお兄さんたち余裕だし。
なんて運がないの!!
「こんなことなら、エースのいる班と一緒に帰ればよかった…」
そんなこと言ったって後の祭りってわかってるけど、言わずには落ち着けない。
「そりゃ、いい考えだな」
「えっ?」
上から声がしたと思ったら、賞金稼ぎのお兄さんと私の間にエースが飛び降りてきた。