「買い出し班は、2と4な」
これがすべての始まり。
お兄ちゃんから脱出せよ
2番隊隊長のエースと4番隊隊長サッチ。それにくっついて私が先頭を歩き買い出しに向かってます。
他のみんなはちりじりに好きな事やってるみたいで、早く島に入った人たちに会ったりします。
久々の上陸でみんな嬉しそう。
「なんだ?やけに上機嫌だな○○」
「はい」
サッチがそうかそうかと自分のように喜んでくれてて、もっと嬉しくなります。
今日は、エースとのあの約束後はじめての上陸、つまりは約束の日なのです。
昨日段取りはエースと決めてあるから、あとは何とかしてサッチと離れれば計画はうまくいきます…ただ、どうやって離れよう?
今ですら横にいるのに…相談しようにもエースはサッチの向こう側。
こういうときは少しイラッとしちゃいます。でも、私の事を思ってのことだから文句は言えない(ナースの姉様達は、結構手厳しく言ってるけど。)
ずるずるとそのまま買い物が終わり、じゃんけんに負けた組が荷物をもって船に戻るのを見ながら、その中にサッチが入ればよかったのになと心の隅でため息をつく(実際、サッチは、一抜けだった。何て運がいいのでしょう…)
エースをチラリと見るとどうするかと困った表情。
ここは私が何とかしなくちゃ、姉様達がせっかくチャンスくれたんだもん。
姉様達だったらどうするか考えてみよう。
(殴り飛ばす…
泣いてみる…
逃げてみる…
なんだろうどれもこれも後が厄介だな… )
あっ…一つだけ案が思い浮かんだけど、平気かな?
これに引っ掛かったらサッチにがっかりしちゃいそう…でもこの際やるしかない。
「サッチ、あそこの美人のお姉さんがずっとサッチの方見てるよ」
「ん?違う方向見てんぞ」
「顔背けたの。」
「にしても美人だな…ちょっと声かけてくる、」
「いってらっしゃい」
なんだろう、私の中でサッチの何かが壊れた。
まぁそんなことは後にして今はこのチャンスを有効活用しなくちゃ。
「エース、今のうちだよ」
「おう、にしてもなんか…」
「うん。引っ掛かると思わなかった」
「平気なのかサッチ」
「サッチなら、なんとなくで仲良くなってるから平気」
エースが私の手を握って先に走ってくれた。お陰でサッチの視界の範囲から早急に脱出できました。
「まぁ、上手くいったし行くか?」
「はい」
(なんだか嫌な予感するけど…まぁいいや)