「ママ、海がキラキラ光ってるよ!!綺麗ね!!」
にこにこ笑って砂浜を駆け回る娘を見ていたら、私は船の上での生活を思い出してしまった。
マルコやサッチはあの子みたいにはしゃぎ回った私をいつも優しく見守ってくれていたのね…
「ねぇママ、泳いじゃダメ?」
「夏になるまで待ちなさい。」
「はーい。」
楽しそうに砂浜を駆け回るあの子は、父親の事をまだ知らない。
私がどんな人生を歩んできたかも知らない。
どう話してあげれば良いのか、まだまだわからないけど、いつかは話さなければならないのよね…
懐かしい思い出が私の胸をヅキヅキと突き刺す。
冬島でエースが抱き締めて温めてくれたこと。
風邪をひいて寝込んだときマルコとサッチがずっとついていてくれたこと。
親父様が私を拾ってくれたこと…
「懐かしいな…」
全部全部、いつか…あの子に語ってやらないとね。
大好きな君へ
「ママ、今日も海がキラキラ光って綺麗ね…早く夏にならないかな、」
「そうね、キラキラ綺麗。夏なんてすぐ来るわ、もう少し待ちなさい。」
毎日が賑やかだった船の上も、途切れることなかった潮の香りも、親父様の笑い声も、エースの温かさも…この陸地にはない。
あなたもそう思うでしょ?
人知れずひっそり生まれ落ちた命を抱え、私は久々に海を見に来た。
相変わらず太陽の光を跳ね返しキラキラ輝くそれは、とても美しかった。
「ねぇ、エース聞いてくれる?
私とあなたの間に可愛い女の子が生まれたの。名前はね、アンっていうの。エースと同じそばかすが可愛い女の子なのよ。」
昔ガープさんに聞いたって言って話してくれたよね、男ならエース。女ならアンと名付けられることになってたって。
私ね、それを聞いたときから決めていたの…女のこが生まれたら、アンってつけるって。ちなみに男のこのときはサボって名付けるつもりだったの。
素敵でしょ?
大好きな君へ、
生まれてきてくれてありがとう。
愛してくれてありがとう。
大切なものを残してくれてありがとう。
届いてますか?この気持ち。
end
…後書き……
こんにちわ!!ながーかった。
受験前から書いてますから、一年チョイですかね?最後の方は飛び石で話が進んでしまいましたが、書きたいことは書ききれました。
良い話ができたら追加・書き直しをしながら作品をまた完成させていきたいと思います´`
では、これにて!