サッチがいなくなって2日目の太陽が昇った。

いつもは私より遅く起きるエースが起きていてビックリしていたら、エースは笑って寝坊助と言ってきた。


「いつもは、エースの方が寝坊助なのに…」



ムッとしてそう言うと、エースが苦笑した。

そんな彼を見て、私は息をつめた。


「エースの意地悪」
「拗ねるなよ」
「だってさ、」


続けようとした言葉を飲み込んだ…さっきから感じていた違和感の正体が分かったから。

服が違う。遠出するときの服装になってる。なんで?



「ねぇ、エース。どこかに行くの?」



恐々そう聞くと、黙って彼は頷いた。
遠出とこのタイミング…答えは一つしかない。


「ティーチを追うの?」
「あぁ…」



そっか…


「それが、エースの見つけた答えなら、私なんにも言わないよ。だからね、ちゃんと帰ってきて。」


エースまで離れてしまうのかと思うと死ぬほど辛かったけど、私には止めることができなくて、ただいってらっしゃいと言うしかない。


「帰ってくる。絶対に…」
「うん。」


笑顔で送り出そうと頑張ったけど、
強く抱き締めてくれるエースに甘えて、私は泣いた。




     いってらっしゃい 





親父様やマルコに説得されても、エースはティーチを追うことをやめようとはしなくて、
一悶着の後、海に飛び出していった。



「いってらっしゃい。」


気をつけて。




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