「サッチ…」
昨晩、私の悲鳴を聞き付けて駆けつけた皆によってティーチは捜索されたけど、最終的に見つからなかった。
私は、姉様に引き取られてそのままその場を後にしたから見た訳じゃないけど、マルコの話によるとエースが激怒していたらしい。
仲間思いの彼のことだ…自分の隊の男がサッチを手にかけたという事実が許せなかったんだろう。
軽めの朝食を食べ終えたら、彼に会いに行こう。
なんて声かければ良いかはわからないけど。
慰め
「エースいる?」
扉を少しばかり開けてエースの姿を探しながら声をかけると、ベッドの上に座っていた彼が顔をあげた。
「エース…」
重たい表情は、なんだか、とっても怖くて、恐る恐る近づくいたら、エースが抱きついてきた。
エースの体は大きいから、受け止められるわけもなく私もろともエースは床にダイブした。
「う…痛いょ」
いつもならわりぃと離れてくれるのに、
今日はちがくて、もっと必死にすがり付いてきた。
「エース、エース」
「なんで…」
名前を呼んでも、エースはなんで、なんでだ、と繰り返し続ける。
エースは、こんなに傷ついて、
サッチはもういないのに、
なんであいつだけのうのうと生きているのだろう…怒りだけが、怒りだけが、沸々と沸き上がっていく。
「エース…私はココにいるよ。」
「……」
「一人じゃないんだよ。」
幼子を慰めてるみたいになっちゃうけど、エースの頭を撫でてあげると、さっきよりは落ち着いたみたいで顔を私の胸からあげた。
「○○…ありがとうな」
「うん。」
再び私の胸元に顔を埋める彼を優しく抱き止め、そのまま二人でお互いの傷を癒しながら一日を過ごした。
(全てが嘘なら…サッチが笑って「お前ら飯は?」と言いに来てくれないかと、私は何度も何度も願った)
20110805改