「………ふぅ」
「さっきから何してるの○○。」
「えっ…なんか、モヤモヤして…」
エースを見ているとモヤモヤする。知らない女の子と話してるとシュンってなって、
笑かけてくれるとキュンってなる。
姉様にそう相談してみると、嬉しそうに笑った後、悪戯そうな笑に変えた。
「恋ね。」
「恋?」
好き……です。
「エースの事好きなんだ私…」
ポツリと呟くと、後ろの方でものが落ちる音がした…まさかね……と思いつつ振り返ってみると、やはりいた。
「マルコにサッチ…」
サァーと血が引いた気がします。2人に聞かれたなんて…まずい、絶対邪魔されるじゃないですか。
どうしよう…と、あわあわしていると姉様が現れてくれた。
けど、なんか凄く殺気だってる気がします…。
「あなた達、邪魔したら許さないわよ。」
まだ何も言ってないんだけどな…二人とも。
恐々双方をうかがってみると、にらみ合いが始まってる。
あれ、私どうしたらいいの?
「○○、今のうちになんとかエース見つけてきなさい」
ポイッと放り出された私は姉様に従ってエースを探しに走った。
見つけてなにを言えばいいか分からないし、恥ずかしいし、うー
「うわ、」
考え無しに突っ走って何かにぶつかって跳ね返った。強か打ち付けたおしりがじんじんにた見ます。
「大丈夫か?」
「・・・」
何にぶつかったのかと思い、上の方を見てみると、エースが心配そうに私を見ていた。なんてタイミングがいい人なんだろう。
「○○が走ってるってことは…マルコとサッチに追われてるのか?」
「追われてるの。」
手を引いて立たせてもらった私は、この後どうしたものかと目だけがキョロキョロ動く。
「どうした?」
「あっ…あのね、」
そう、私は追われてる。
今を逃せばチャンスはなくなる…
「私ね、」
「おぅ」
「私ね、エースのことね、す…好きなの!!」
「ん、そうか。……ん?」
「うっ…ああぇっあと、あのね…」
「好きって、兄弟的に?」
「違うっ」
「じゃあ…」
ギュッと拳に力を入れて、床を見て、
エースの答えを待った。
「俺も、○○の事好きだ。」
よっといいながらエースが軽く私を持ち上げて、ギュッと抱き締めた。
「エース?」
「ん?」
「本当に?」
「なんで嘘つかなくちゃならねぇんだ?」
「嬉しいです。」
きゅっとエースの服に捕まって幸せを噛み締めていると、なんだか騒がしくなってきた。
騒がしくなってきた。
騒がしくなってきたということは、
「逃げるぞ○○っ」
「マルコとサッチが鬼の形相、ひぃーっ」
この後、数時間私を抱っこしたエースとマルコ&サッチの追いかけっこは続きました。