「どっどうしよう…迷子になっちゃった…」
おもわず飛び出してきちゃったけど、帰り道がわからない。
武器がないのはまぁ、能力者だから何とかなると思うけど、そんなに戦闘能力あるわけじゃないから、海軍の上の方の人とか名の知れた賞金稼ぎさんかなんかに見つかったらどうしよう…賞金まだかかってないけど…。
「お嬢さん、ここら辺海賊多いから一人で歩いちゃダメでしょ?」
「えっ…」
いきなり後ろから肩を叩かれ呼び止められたと思ったら、凄くノッポなお兄さんがいました。
しかもなんだか、海賊じゃなさそうな言い方。
これってまずいパターンじゃないですか?
「あの…お兄さん…誰ですか?」
「あぁ、海軍の「かっ海軍…海軍!!」
どうしよう、一番会っちゃいけない人に会っちゃいました。
お兄さんは気がついてないよね?
私が白ひげ海賊団の一人って…気がつかれたらダメだよね…
「どうかしたの?」
「あっその、海軍の人は偉い人だから…びっビックリして…」
「あぁ、そうか。それにしてもココは暑いね」
「なっ夏島ですから…」
どうやって切り抜けよう、どうやって帰ろう。
「あれ?なんだか涼しい…」
「あぁ、凍らせたからね」
「お兄さん能力者なんですか…?」
「ヒエヒエの実のね。悪魔の実知ってるんだ」
一般常識的に知ってるものじゃないの!?
ぼっ墓穴掘りました?
「あっ私、帰ります」
「気を付けてね…」
なんだか、いい人でしたが…私にとって、親父様にとって敵ですからね、あんまり仲良くしてられません。とにかく逃げましょう。
「○○っ」
「あっ、サッチ!」
お迎えのサッチがいます。あぁ、無事に帰れそうです。
「探したんだぞ!!」
「ごめんなさい…」
サッチは、心配したんだからな。と、顔を真っ青にして走ってきた。ちょっと大袈裟だと思ったけど黙っておこう。
「まぁ、無事でよかっ…肩、凍ってないか?何があった?痛くないのか?医者ぁぁぁ」
「平気だよ、痛くないから、だから落ち着いて!」
なんだかすごくいろんな人の視線を感じる…。
「たぶん、ヒエヒエの実のお兄さんが触ったところだからだ。」
「ヒエヒエの実?まさか、青雉に会ったのか?」
「わからないよ…ヒエヒエの実の能力者って言ってただけ…ノッポで、不思議な感じの人」
「………うむ…」
なんだかめんどくさそうな顔になったサッチに担がれて船に戻ると(また視線が痛かった。)、般若の形相のマルコに捕まり、3時間ほど説教されました。その間にサッチは親父様のところにいったようです。
教訓。
マルコは、何よりも怖い。
今日わ、青雉さん
翌日
(グララ、どうやら○○が会ったのは青雉で間違いないようだな。)
親父様に呼び出されて行ってみると、一枚の紙を渡されました。
(あれ?………賞金100万…かけられちゃいました)
((はぁっ!!))
その日、至る所に○○の手配書が貼られたのは言うまでもなく、サッチの仕業で、それを一生懸命剥がすために脚立を持ちながら船内を走る○○が見られたとか。