「三郎、」
「雷蔵なんだ?」


はぁ、今日は、久しぶりの実技の授業か…緊張する。そんなことを考えつつ、顔を洗い服を着終わると近づいてきた雷蔵が少し迷った後、口を開いた。


「あの…○○さんっていくつなの?」
「私より10上だったな」
「10も!!」


驚く雷蔵にニヤリと口許が上がった気がする。なんだか分からないがちょっと自慢したい気分だ。 ふふ、見えないだろう?と。

あいつは年齢より下に見られる顔だからな。とても驚いている雷蔵に笑いを堪えていると、雷蔵が心配そうな顔で私を見て来た。


「恋人なの?」


心配そうな顔で私を見る友人に私は首をかしげる。なにかおかしいことがあるだろうか?○○が年上であろうが、何も困ったことはない。


「あぁ。それがどうかしたのか?」
「10も上なんだよ。年下って言うならわかるけど、○○さんは年上なんだよ。」
「それが……」


10違う。それがどうしたと言うのだろうか…そう私は思っていたが、そこでハッとした。
ここは室町なのだ。あぁ…平成とは違うのか。
雷蔵に言われるまでまったく気がつかなかった。気にもしなかった…親が10も年上の見知らぬ女を嫁として迎えてくれるわけはない。



「あの時代だとあまり気にならなかったんだがな…」


上を向いて、目を腕で隠す。
なんでだろう、こんなにも○○が愛しいのに、心が迷う…
そんな私にイライラして、悔しい。






生じる迷い





「雷蔵、私は○○を愛しているんだどうしようもなく」



この時代で、私は○○を守っていけるんだろうか。恋人として、その先まで二人でいけるのか?どうしようもない不安がつのってくる。そんな私に雷蔵は、



「僕は、三郎が心配だよ。」



と、ただそう言った。








…後書き……

はーい、歴史知識薄い小豆です。

今回、10歳の年の差を強調してみました。

イメージ的に三郎君は良いとこの跡継ぎとかいいなぁ。と思ったので、若くて健康的な奥さんをご両親は切望するだろうな…と考え、
現代で生活習慣の荒れた年上と言うことを気にしてもらいました。
実際は年上とか別に気にしないで家柄とか重視だと思いますが、知識無い小豆には分かりかねますので、今回はこんな感じで話を続けていきます!!


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