一日目

「…また任務か。」

「そういってくれるな、狐。これが落ち着いたら少し休みをやるから。」

――…別に休みが欲しいわけじゃねぇよ。それに、俺じゃなきゃこの任務最低3日はかかるだろうし。

「休みはいらねぇよ。時間もねぇからもう…」


“バキバキバキーー!!!”


「「!?」」


「いてて…火影ー、天井から失礼します!任務「誰だ。」


この俺が全く気配を感じなかった?それに、天井から来るって一体…。


「えっと、私は姫。忘れてた任務報告をするために悪戯で天井から参りました!」

「悪戯で済むかバカもんが!!……まぁ良い。どうせ今から呼ぶつもりだったからむしろちょうど良い。
姫、お前にはこれから狐と一緒に任務に行ってもらう。」



…何言ってんだこのババァ。SSSランク任務だぞ!?暗部でもない忍を任務に連れて行くなんて正気か!?


「断る、足手まといがいたんじゃ「あ、それって私のチカラが必要な感じですか?もー、任務明けのくノ一に容赦しないなー」

何なんだこの女は。いきなり現れた挙句に人の話を聞かねぇで……。
にしても……

「チカラ?」

「姫にはたまに暗部の仕事に一緒に行ってもらっててな。
こいつはどんな怪我や病気も一瞬で治せる特殊なチカラがあるんだ。もちろん、医療忍術の類ではない。」

「特殊ってどういうことだ?血継限界の類なのか?」

「違うよ。私捨て子なの。で、物心ついた時からすでにこのチカラが備わってて。
もし私みたいなのが存在するって世に知れわたれば私のチカラを手に入れようと世界戦争が起こりかねないでしょ?
だから表向きは記憶操作を得意とする忍として通してるの。」


まぁ、本当は火影すらも知らない……もう一つの秘密があるんだけどね。


「だから暗部の任務について行って…「俺がSSS一つごときで怪我したことあったか?余計なことすんな。」


……なんなの、この狐とかいう奴。すっごい、むかつく!
今までの暗部は火影に言われたら折れてくれたのに!!


「…じゃあこういう理由なら納得してもらえる?今回の任務は当たり前だけど人に見られちゃいけないの。
それには広範囲に渡る高度な記憶操作が必要になる。
いくら暗部とはいえ、それをしながらのSSS任務はキツイんじゃないの?」

「…ババァ。」

「誰がババァだ。…狐とも一度くらいはやっておいて貰おうと思ってな。
それに、SSS任務ごときでお前が姫に怪我を負わせるヘマはしない。
分かっているから今回姫を呼んだんだ。怪我させかねない任務にはつけさせないさ。」


「―――…。」


これ以上いっても無駄、か。

「…分かった。」

「よろしくね!…えーっと、名前何だっけ?」


……こんなアホと一緒で本当に大丈夫だろうか。
今日の夜中には戻れそうな任務が2日後になるのは決定的な気がする。
…少なくとも、おいつがアホな事しなきゃ怪我する心配もさせる心配もないからいいけど。


「……狐。」

「狐!?可愛い名前だね!じゃあ改めてよろしくね、狐!」


暗部名が可愛い?女ってよくわかんねぇ。…って、こいつが変なだけか。
まぁ、こいつもまさか暗部総隊長と一緒だとは思わねぇだろ。


「んじゃ、時間ねぇからもう出る…「狐、相手は普通の忍だ。明日の朝出発しろ。」……このババァ。


「えー?私は平気ですよー?そこいらの男よりは鍛えてる…「姫。」


…あ、そうだった。


「あー、でも休めるなら休みたい!
狐さん、そういうわけだから明日早朝に門の前集合でお願いしまーす。」


「…勝手にしろ。」



とりあえず、この任務が終わったらこんなフザけた付き人制度なんてやめさせてやる。
































*


姫side


あー、暗部の任務疲れたー。火影も少し考えて任務組んで欲しいわー。
ってか、素直に入るの癪だから天上壊して入るか。


……あれ?総隊長と火影じゃん。よーし、元の姿に戻ってから失礼するかー。




“バキバキバキーー!!”


あ、二人とも目点になってる!ってことは全く気配を察せなかったってこと?わたしすごー「誰だ。」


おー、こわっ!相変わらず総隊長は恐ろしいなー。

ってか、私隠れ暗部なんだよね。だから、私は総隊長を知ってても、総隊長は私のことを知らないって言う。
何でも、火影が”ある理由”で私と総隊長を引き合わせたくないんだって。


「姫、お前にはこれから狐と一緒に任務に行ってもらう。」


この前自分で引き合わせたくないとか言ってたよね。言ってることとやってることが滅茶苦茶だよ、火影!!

大体、総隊長がSSSごときで私のチカラを必要とするわけないじゃん!!
それに、広範囲に渡る記憶操作なんかなくても総隊長の速さなら誰にも見つからずに任務遂行しちゃいますよ!?

しかも私が暗部だと知らない以上、ヘボの振りしなくちゃいけないんでしょ?うわっ、私のほうが怪我しかねないわー。


…ま、総隊長とは前から話してみたいと思ってたしちょうどいいかなー?…こんな奴だとは思わなかったけど!!!



「よろしくね!…えーっと、名前何だっけ?」


なんて、本当は知ってます。だって天下の総隊長様ですから!

けど、こういうのはバカキャラの方が怪しまれないし…。



「……狐。」


うわっ、何その軽蔑したような目!ま、暗部なんて大抵そうだから良いか。私も暗部のときはそっけないし。

にしても、普通の忍でも夜に任務行ったりは当たり前な気が…。
って、勘が良い総隊長だから警戒してるのか。


……でも、頼むからお前のせいで任務期間延びただろ的な視線送るなよ!私だって今すぐ行って終わらせたいんだ!

だけどバカでヘボ(の設定)何だから仕方ないだろ!


あぁ、私は無傷で帰れるのだろうか…。









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