「ウルビダって美人だよねー」 「…突然何を言う。」 私は頬を赤くしてぎろりと彼を睨んだ。 「前にグラン様とエイリアで誰が一番美少女かって話をしたんだよね。それを思いだして。」 「くだらない。」 「ウルビダで完全一致だったよ。」 「ふうん。」 「あれ、嬉しくないの?グラン様に可愛いって思われても。」 「はあ?」 不快な勘違いに、思わず彼の頭を殴った。痛い、と呟いてはいるがナマエは石頭だしそこまでダメージは受けてはいないだろう。寧ろ私の拳の方が痛い。「あれ、ウルビダってグラン様の事好きじゃなかったっけ」「そんな訳ないだろう!」あからさまに反論されたのが意外だったのか、へえ、と首を傾げた。「キーブが言ってたよ。ウルビダに好きな人がいるって。だからてっきりグラン様かなーと思ったんだけど」…キーブ、覚えていろよ。それを即座に否定し、私は諸悪の根源を叩き潰すために立ち上がった。 「何処行くんだ?」 「どうでもいいだろう。」 「まあそうだけど。…あ、俺はウルビダの事大好きだからな!」 「なななな、何を、」 慌てふためく私に、ナマエはにこりと微笑んだ。「私はお前なんて大嫌いだ!」考えもせずにそう叫ぶと、ばたんと扉を閉めた。苛々する。どうしてあんな(悲しくなるだけじゃないか)。 好きだよだなんて言わないで! (どうせ意味が違うのだから、) |