少女流浪中(レミリア) 「ねえ、運命をいじくったら、貴女を此処につなぎとめる事が出来るのかしら」 何を世迷言を、と私はレミリア嬢の提案を一蹴する。そんな事はあり得ないのである。私が一か所にとどまるなんて、そんな退屈な事。 「でも貴女は博麗神社に居座っているじゃない」ううん、それはあそこが居心地の良い場所なだけよ。 「じゃあ此処は居心地がよくないというの?」別にそんな事は言っていないわ。紅魔館も良い所よ。ただ、私には合わないだけで。 「じゃあどうしたら此処にいつまでも居てくれるの?」そんな不可能な事を問われても私にはどうすることもできないわ。だって私は賢者ではないもの。パチュリーに聞いたら如何? 「霊夢もあんたも、どうして私のいう事を聞かないの」霊夢も私も束縛なんてされたくないからよ。 吸血鬼は寂しがりなのね、私はくすくすと笑った。瞬間弾幕が飛んできて、笑顔が凍りつく。 「いっそ殺してしまえば楽になるかしら」それは安直で愚直で退屈な結果しか生まないわ。 「貴女の血は美味しいのかしら」きっと泥のような味がするからおすすめは出来ないわ。私は負健康だから血もどろどろでしょうよ。吸血鬼姉妹のような高潔な方にはお気に召さないでしょうよ。 「フランと一緒に襲ってあげても構わないのよ」貴女フランの恐ろしさを分かって言っているの?私死ぬわよ、普通に死ぬわよ。何しろ私人間だから。 「それならいっそ貴女を吸血鬼にしてあげましょう」お節介も度を過ぎると嫌がられるだけなのよ世間を知らぬレミリア嬢。 「じゃあ、どうしたら貴女を私の物に出来るのかしら。教えてよ」 「そうねえ。アリスにでも頼んで、人形を作ってもらったら如何?」 ←→ |