稲妻11 | ナノ




(微ゲーム設定/GL)



「なまえ!あんたまたあたしの彼氏取ったわね!?」
「えー何のことかまったく分かんないわー」


猛然と抗議する泥江を、にこーっと微笑みで一蹴する。もう、五月蝿いわね。私は本を読みたいのに。


「ふざけんじゃないわ!アンタこれで何回目よ!」
「…そんなこと言われても、向こうからコッチに寄ってくるんだもの、仕方ないわ」


ちなみにコレは若干の脚色を加えてある。泥江に彼氏が出来たという噂を聞いては、相手の男の子を誘惑しに行くのだ。正直私は自分でも顔には自信がある。それに、お世辞にも泥江は万人受けする顔とは言えない、なので彼氏を分捕るくらい訳ないのだ。ハッハッハッ。


「ムキーッ、あんたねえ!」
「ていうかー、泥江もやり過ぎじゃない?そんなんだから無駄に恐れられてんのよ」
「皆あたしの美しさに恐れを抱いているだけよ!」
「このナルシスト!」


事実泥江に近づこうなんて輩は滅多にいない。そう、円堂キャプテンを除けば。いやあーまさか泥江をスカウトしようとするなんて流石キャプテンだわ。私以外のバトルメンバー(塔子、鬼道)は冷や汗かいてたけど、うん、仕方ない。見た目で判断してはいけないっていうけど、中身もなかなかに強烈なキャラクターだもの。でもまあ。うん。


「もう止めてよね、怒るわよ」
「ジューブン怒ってるわよね今も」
「うるさいわね!」
「止める気は更々ないわ、泥江が彼氏作るの諦めるまで」
「はあ!?どうしてよ」


憤慨する彼女に私は再び満面の笑みを浮かべた。


「だってアンタには私がいるじゃない」


私ってば不器用でその上嫉妬深いから、限りなく屈折した愛情表現しかできないの、ごめんね?









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