(3Top同棲設定) 「な、南雲くん!」 「なななななんだよ、みょうじ!」 いきなり名前を呼ばれ動揺しながらもゲーム機から顔を上げると、耳まで真っ赤に染まったみょうじが首にタオルを巻いて立っていた。風呂あがりなのだろう、髪が濡れて頬に張り付いている。扇情的な姿に思わず目を逸らした。ふ、不快に思われてないだろうか。 「あのね、お風呂空いたの。」 「お、お前の次は涼野だろ、」 「涼野くんは本がクライマックスにはいったから後で、って言ってた。だから、南雲くん」 「あいつの後は基山だろ。」 「基山くんは今日は入らないって。守くんと握手したから洗わないーって」 「なんだそりゃ。しかたねーな…」 ゲーム機の電源を切って立ち上がる。逃げるようにすれ違うと、シャンプーの良い香りがしてドキリとした。心臓の音が五月蝿い、んだよ! 廊下にはニヤニヤ気持ち悪い笑みを浮かべた基山と無表情で壁に寄り掛かって本を読んでいる涼野がいた。「どうだった?」基山が言う。 「何がだよ。」 「なまえちゃんと話せて。」 「…テメー等謀ったな」 睨みつけるが、基山はおお怖いと笑顔で肩を竦めるだけ。もう一人に至っては見てすらなかった。本貸せ破る。 「別に貴様の手助けをした訳ではない。」涼野はぱたんと本を閉じた。じゃあ誰の手助けしたんだよ、と問うと二人は目を合わせてため息をついた。失礼だなおい。苛々が募る俺とは裏腹に、基山がまあ、と口を開く。 「精々頑張りなよ。俺達は応援してるから。」 「…私としてはこんな奴にみょうじは勿体ないと思うがな。」 「味方なのか敵なのかはっきりしろよ…」 随分と柄の悪いキューピッドだな、と俺は笑った。 気まぐれCupid! 「ねえ涼野くん、基山くん。さっきはありがとう」 「…気にするな」 「何か話した?」 「お風呂の事伝えただけなの。なんだか南雲くん、不機嫌だったみたいで…、」 「「それはない」」 「うん?」 |