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aph・湾(百合)




「わーっ、湾ちゃん可愛い!」
「えへへ、ありがとー」


新しいお洋服を作ったと湾ちゃんから連絡があって意気揚々と家に訪れた私。出迎えてくれた湾ちゃんはそれはそれは可愛らしく、お人形さんのようだった。くるりとターンすると、彼女の美しい黒髪とふわふわのスカートが宙を舞う。


「凄い凄い!流石ね湾ちゃん!」
「ふふ、でしょう?」


どういうわけがあってこの服をつくったのかは分からないけれど、それでもすごくすばらしいものだと思えた。そこらの店売りのより良いものだと思えるのは、モデルの質が良いからというのもあるのだろうけど。


「あなたの好みに合わせて作ってみたのよ」
「そうだね、でも、どうして?」


確かにそのふわふわとか色合いとかは、私の好みにストライクだった。けれど、彼女が私の好みに合わせる理由はなんなのだろうか。首を傾げると、くるくる回るのをやめて、彼女は私に思いっきり抱きついてきた。耐え切れずに、後ろのベッドに湾ちゃんごと倒れこむ。


「わっ、湾ちゃん?」
「だあって、そうすればあなたに愛されるかなーと思って!」


見るひと皆を魅了するような笑顔を浮かべた彼女の頬に、私は軽くキスをした。


「そんなことしなくっても私は湾ちゃんにくびったけよ!」


ベッドにもたれて二人で笑った。可愛らしいお姫様、私だけのお姫様。





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