※夢じゃないよ!英中だよ! 陽射しの強い真夏日。 菊の家には兄弟が勢揃いしていた。 兄弟仲良くだら〜っと過ごしていると、ピンポーンと、インターホンが鳴った。 「すみません!誰か出てください!」 菊が台所から声をかけると、 「えー!嫌なんだぜ!」 「私も嫌〜」 「仕方ないから俺が行く的な〜。」 ゴロゴログタグタしている勇洙と湾。 仕方ないというように香が立ち上がる。 香が玄関を開けると、そこにはアーサーが立っていた。 「久しぶりじゃんアーサー」 「お、おぅ!お前も来てたのか。」 「皆いる的な〜。」 「なんだよ。全員集合かよ。いいよな、兄弟仲が良くて。」 そんな話しをしながら二人は菊達のいる部屋へと歩いていった。 部屋に着くと菊達がアーサーに声をかける。 「いらっしゃいませ。アーサーさん。ありがとうございました。香君」 「いらっしゃいなんだぜ!」 「こんにちは。」 「あぁ、お邪魔する。」 菊は扇風機の前でお茶を飲んでいた。 その周りで勇洙と湾はゴロゴロしている。 アーサーが来たことで菊が勇洙と湾に言う。 「お二人とも、いい加減シャキッとしてください!じゃないと西瓜食べさせませんよ!」 「えー!西瓜の起源は俺なんだぜー!!」 「それは嫌ですー!」 勇洙と湾はなおもゴロゴロしている。 菊はため息をつくとその場を香に任せ、アーサーを部屋から連れ出した。 「どこ行くんだ?」 「耀さんのところですよ?」 「な、なんで耀のとこなんか。べ、別に会いに来たんじゃないぞ!!」 それを聞いて菊が、「ツンデレですね!わかります。」と、言ったのはアーサーには聞こえなかったようだ。 少し歩いていくと、ちょうど木々のおかげで日陰のできている縁側についた。 風通しも良くとても涼しい。 「なぁ、なんでここにあいつ等来ないんだ?こっちのほうが涼しいだろう。」 「ふふふ、駄目ですよ。騒がしくなりますからね。ほら、」 菊にの指差す方を見るとすぐに理由がわかった。 縁側には耀が寝ていた。 どうやら耀を起こさないようにという配慮のようだ。 「気持ちよさそうに寝ているでしょう?起こすのは忍びなかったので。」 「確かにな。」 「どうします?ここに居ますか?それとも戻りますか?」 菊に言われて少し考えてから、ここに居ると答えたアーサーはすぐに少し紅くなって言った。 「た、ただ涼しいからいたいだけだからな!!べ、別に寝顔見てたいとかじゃないからな!!」 「わかりました。では私は戻ります。」 菊がまた「ツンデレですね!わかります。」と、言ったの(以下略) 菊は少し歩くと思い出したように立ち止まり、アーサーに釘をさした。 「アーサーさん。言っておきますが、耀さんに何かしたら許しませんよ。」 菊の顔は穏やかに笑っていたが、眼だけはギランと光っていた。 涼しい縁側がさらに涼しくなる。 アーサーはガクガクと頷く。 それを見て菊はもと来た方へと戻って行った。 菊が見えなくなったのを確認してアーサーは息をつく。 ―‐すげぇ殺気だったな。 アーサーはもう一度フゥと息をつくと、耀を見た。 独特的な襟は暑いかったからか開かれていて、髪も解かれていて色っぽいが、本当の年齢を思わせない童顔の寝顔はさらに幼く可愛いく見える。 ―‐まったく無用心だな。こんなに可愛い顔で寝やがって。そのくせ色っぽいとか反則だろ。襲われても知らねぇぞ。 アーサーは無意識のうちに耀の髪を撫でていた。 その時耀がフニャッと笑うものだから、アーサーの悪戯心に火がつく。 アーサーは耀の顔を挟むように手をつくと、少しずつ顔を近づけていった。 あと少しで唇と唇がくっつくというところで、アーサーは後ろから四つの殺気を感じる。 恐る恐る振り返ると そこには ニコリと笑う菊と湾、恐ろしい形相の勇洙と香が立っていた。 「アーサーさん。何かしたら許しませんと言いましたよね?」 「い、いや、これは、その」 「言い訳なんて、男らしくないんだぜ。」 「いや、言い訳じゃなくてだな、」 「マジくたばれ的な〜!アーサー。」 「アルみたいなこと言うな!!じゃなくて、話しを聞け!!」 「問答無用です!!」 湾のその言葉にそれぞれが剣や刀を抜き、アーサーに襲いかかる。 間一髪、避けたアーサーはそのまま体勢を立て直し逃げる。 逃げたアーサーを追いかける四人。 暑さも忘れて菊の屋敷を縦横無尽に逃げる、追いかける、切りつける、避ける。 「う〜ん、ん?あいつ等、なにやってるあるか?」 起きた耀が見たのはやはり、逃げる、追いかける、切りつける、避けるを繰り返している五人の姿だった。 とっても不憫なアーサーをありがとう!(あ あじあ大好きだから嬉しいよ…!兄弟可愛すぎるよ!湾ちゃん萌え! これからもよろしくな! |