※白列 今日、私はいつもよりも早く起きてしまいました。なぜかと言うと、楽しみで仕方なかったからです。 ベルさんとのお出掛けが!! 数日前、突然連絡もなしに私の家に来たベルさんは(いつものことですし、私もそちらの方が嬉しさ倍増なので好きですが。)、今度お出掛けをしようと誘いに来てくれたのです。 私は勿論直ぐにはい、と返事を返しました。こんな機会久しぶりだったので逃すわけには行かなかったのです。 私の返事を聞いて、ベルさんは嬉しそうに笑うと、出掛ける日や時間などを決めると直ぐに帰って行ってしまいました。 どうやら、お仕事の合間を縫って来てくださったようでした。少々いえ、かなり寂しかったですが、わざわざ仕事の合間に来てくれた嬉しさがあったので、悲しい顔はしませんでした。 悲しい顔をしてベルさんを困らせるなんてイヤですから!! そして、今日が当日。 本当はお昼前頃にベルさんが向かえに来てくれるのですが、私は楽しみで楽しみで朝焼けの頃から起きて服やバッグなどを念入りに決めていました。 おかげで、兄様との朝食に遅れてしまいましたが、兄様は優しい方なので嫌な顔一つしないで下さいました。 結局服は一番気に入っているピンクのものにしました。 そうして、うきうきとしているとチャイムが鳴りました。 私はハッとして急いで玄関まで走り、扉を開ける前に最後の身だしなみチェックを済ませました。 一度深呼吸してから扉を開ける。なぜだかとても緊張してしまいます! 扉を開けると、そこには明るい笑顔をしているベルさんが立っていました。 「おはようさん。なんや今日は偉い可愛おすな。」 「おはようごさいます。ベルさんも、か、可愛らしいです!」 「ハハッ、そう言ってもらえると嬉しいいで!ほな、早速行こか。」 そう言って差し出された手を、私は迷いなく握りました。 でも握ってからとても恥ずかしく、嬉しくなってしまい顔が赤くなるのがわかりました。 幸いベルさんには気づかれなかったようで良かったです。 さらに、顔を覗き込まれでもしたら私は間違いなく爆発してしまいかねません。 「まずは昼飯やな。どんなとこがええ?」 「で、でしたら美味しいケーキのある喫茶店に行きませんか?」 「ケーキ!喫茶店なら他にもなんかあるやろうし、ほなそこ行こか!」 「はい!」 二人で他愛もない話をしながらゆっくりと歩いて喫茶店まで向かいます。 嗚呼、私今とても幸せです! ベルさんが笑って私も笑って、二人で楽しく歩いていきます。 喫茶店が見えてくると、私はあの喫茶店で今度はどんな話をしようかと期待に胸を躍らせていました。 しかし、運命は残酷です。喫茶店の扉には【クローズ】という札がかけられていました。 呆然とする私に対してベルさんは温かい言葉をかけてくださいました。 「気にすることあらへんで、ケーキはまた今度な!」 あまりの自分の不甲斐なさに呆れてしまいます!なぜ、定休日を知らなかったのでしょう?! それなのに優しい言葉をくれるベルさんはなんて素敵なのでしょう! はぁ、と俯いたと同時に、くるるぅ〜、と私のお腹が鳴ってしまいました。恥ずかしいです!! 実は、あまりに楽しみで緊張していたので朝食をほとんど食べていなかったのです。 今の今まで全然、お腹はすいていなかったのに、脱力したと同時に緊張も解れお腹も空いてきてしまいました。 でも、このタイミングでなるなんて!!穴があったら入りたいです。 クスッと横でベルさんが笑いました。 うぅ、笑われてしまいました!! 「可愛い音やね。」 「は、恥ずかしいです。」 「ふふっ、リヒちゃん帰ろうか!台所うちに貸しておくれやす。」 「台所ですか?」 「そうや!ケーキのかわりにうちがワッフル作るわ!!」 「でも、お出掛けは?」 「食べてからまた出掛ければええ!今はリヒちゃんにうちの作ったケーキ食べて欲しいんや!!」 そう言って、私の腕をひいて家へともと来た道を楽しそうに笑いながら戻るベルさん。 私はそんなベルさんを見て自然と顔が綻んでしまいました。 今日はきっと忘れられない日になるでしょう。 そんな日をくださったベルさんに私は一言、言いたい! 「大好きです!!!」 「うちも!」と、言ってくださったベルさんの笑顔は素敵でした! ハートのワッフルは両想いの印 タイトルでハンター×ハンターを思い出した俺は富樫大好きオタです。 |