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・キセキオール出演、緑青+黄黒+紫赤
・黄黒と紫赤はキセキ公認カップル、緑青はまだ公表してない非公認カップル






「黄瀬くんなんか嫌いです。もう知りません」
「ちょ……待ってよ黒子っち!誤解っス!」


部室に入るなり目に入ったのは、テツと黄瀬が何やら揉めている所だった。
黄瀬は必死の形相で何かを訴えかけているが、テツはそっぽを向いてシカトしている。
この二人はオレ達『キセキの世代』公認の仲良しカップルだ。
小さな揉め事は今までもたまにあったが、こんなに大きな喧嘩(?)は初めて見た。
何がどうなってるのかさっぱりわからない。


「やっと来たのか、青峰」
「おぉ、緑間。アイツらどうしたんだ?」
「ただの痴話喧嘩だ。気にするな」


緑間はそう言って眼鏡をくいっと直した。
いやいや。
ただの痴話喧嘩って、明らかに今までで一番の修羅場っぽい雰囲気出してるけど?
オレが納得いってないのが見てわかったんだろう
緑間は、よく話を聞いてみろ、とため息混じりに二人を指差した。
オレはそれに習って二人を見て、耳をすませてよく話を聞いてみる。


「だから、昨日一緒にいたのはモデル仲間のマネージャーさんなんスよ!次の企画の打ち合わせに行ってて、オレにはマネージャーいないからついでに車で送ってもらってたんス。その途中にコンビニ寄って、モデルの奴がトイレに行きたいから待っててって言われて、店の前で二人で待ってただけなんスよ!」


一気に喋りきった黄瀬が、ぜぇはぁと荒い呼吸を繰り返している。
たぶん、そのマネージャーと二人きりでいる所を偶然通りかかったテツが見てしまったんだろう。
それで、浮気じゃないかと不安になったテツが黄瀬を問いただしていた、と。
なるほど、たしかにこれは痴話喧嘩だな。
話を聞き終えたテツはやっと黄瀬の方に顔を向けて、本当ですか?と確認した。
黄瀬は首をぶんぶんと縦に振って肯定する。


「なんなら二人に聞いてもらってもいいっスよ。ケータイにモデル仲間の方の番号入ってるから」


黄瀬はポケットから取り出したケータイをテツに差し出すが、テツはそれを受け取らなかった。
首を横に振って、受け取る代わりにケータイごと黄瀬の手を握りしめる。


「疑ってすみませんでした。君を信じていないわけではないのですが、心配になって……」
「オレの方こそ不安にさせてごめん」
「ボクの事、許してくれますか?」
「もちろんっスよ!てゆーか、むしろオレの事許してくれる?」
「当たり前じゃないですか」


……この二人はここが学校であり部室である事を、果たして覚えているんだろうか。
黄瀬はともかく、テツがこういうキャラだなんてコイツらが付き合い始めてから知った。
表情はあんま変わんねぇし何事にも無関心って感じに見えるのに、実は嫉妬深くて心配性で黄瀬が大好きなんだ。
だから、コイツらの痴話喧嘩が終わってくれて良かったと思う。
だが、その熱々モードは余所でやってくれ。
つか痴話喧嘩もここですんなよな。


「何はともあれ、良かったな」
「あぁ。これで落ち着いて練習出来るのだよ」


ラブラブモード全開のテツと黄瀬を緑間と眺めながら、ホッと一息ついた時。
部室のドアが勢いよく開いて、そこから赤司と紫原が順番に入って来た。
赤司の顔は明らかに不機嫌で、その後ろの紫原は焦っている。
これは……もしかして?


「だーかーらー、ごめんってばー」
「知らない。敦とは口聞かない」
「赤ちーん!」


案の定、オレ達『キセキの世代』第2の公認カップルも痴話喧嘩の真っ最中らしい。
オレと緑間は二人を交互に見て、そして顔を見合わせると、どちらからともなく長いため息を吐き出した。


「「今度はコイツらか……」」


オレ達非公認カップルは、再び訪れた苦悩に頭を悩ませる羽目になる。
果たしてこの部に平穏な日はくるんだろうか。
つーかホント、みんなして余所でやれっつーの!






◆痴話喧嘩三昧



(なんか、オレらの事報告するタイミングねぇな)
(一生来ないかもしれないのだよ)
(それならそれでもういんじゃね?)
(そうだな。諦めが肝心、というものだ)






end.







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