:梅雨の日


「ああ。」

今日は雨が降っていた。

「最近雨ばっかりふってるなぁ…。」

サクラは窓越しに手を当てて、止む気配がない雨を見ていた。

こんなに雨は降るものなのかと不思議そうな目で「ぼやぁ」っとしながら雨ではない何かを見つめた。

「梅雨・・・?」

少し上を見上げて太陽を完全に覆っている雨雲を見つめながら呟いた。

「サスケくん。」

「サスケくん・・・見えてる?あの日を思い出すね。サスケくん。」

少し頬を染めたかと思いきや、連動して目も赤くなった。

自分の感情体が頬を伝う。

ウッ.ヒック.うわぁ…と泣く。

「意味がわからないよぉ。サスケくん。」

それはある3年ほど前のはなしだった。

いつも通りサスケサクラナルトで待っているはずが、今日はナルトが遅い。

そのおかげで2人で待つことになった。

「・・・。」

無言が続く。サクラの鼓動が激しくなったり、弱くなったりする。

無意識にサクラは心臓に反応して体がいきなりビクッと動いたりもじもじし始める…そんなサクラを見て橋に寄っかかるサスケが話しかけた。

「おい・・・。」

サクラがビクンッと後ろから誰かに叩かれたとでも言うように小さめの声で「ウワッ」と言った。

「は?」

サスケがなにこれとでもいうようにぶつけた。

「あひぃ!!ごごご、ごめんなさい!!何でしょおぉお」

「…。別に?お前が変な行動ばっかとってっから呼びかけてみただけだ…。」

「あ…そ、そっかぁ」

サスケくんのそのつれないところが可愛いんだから!!このアンチクショウめ!!

サクラは横目でサスケを見ると、目があった。

サクラは横目のまま目を見開いて、正面に戻った。

「な、ななななな何今の、目思いっきりあったんだけど…しかも横目って!?」

ちらっともう一度サスケの方を髪越しに見るとサスケはもう別の方向を見ていた。

サスケは自分が持ってきていた傘を見ていた。

「?なんで傘?」

と思いながら見ていると雨が降ってきた。

「ええええええ!!」

サクラは驚いて空と地面を見つめた。

その反応を見ながらサスケは傘を開いた。

「うわっ」

サクラは引っ張られサスケの傘の中にいた。

サスケの腕の中にいた。濡れた自分を抱いてくれた。

サスケは暖かかった。顔を少し上に上げてみるとすぐ近くにサスケの顔があった。

サクラはドッキン!!と心拍数が上がるのが分かった。

サスケは耳を赤く染め、反対側を見ながら、

「寒く…ないか?」

と聞いてきた。




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