嫌い≠憎い


(毛)親←三
親三前提の毛長みたいな…はずだった←
毛利は出ません。いつも通り短いです。

















生きてりゃ誰だって怒ったりする。あんた、誰よりも生きてるじゃねぇか!

一度死んだ身の私に、そんな言葉をかけたのは、奴が初めてだった。海の様な男だった。荒々しくも、誰にでも隔て無く優しく、何処までも自由。私とは似ても似つかない大海。そんな所に惹かれたのかもしれない。
「貴様は、不思議な男だな」
きょとん、と間抜け面を晒した後に、海は笑う。
「あんたも相当変わってるぜ」
「…そうか」
海は、空を見つめた。青々とした夏の空には眩しく輝く太陽がふわり浮かぶ。そしてまた、腑抜けた様に笑うのだ。
「綺麗なお天道さんだ、毛利の野郎も、今日ばかしは機嫌がいいかもな」
「…また、毛利か」
海は、何かにつけて毛利の話を切り出す。それがどうという訳でも無いが、何処かむず痒い。
「あんた、そんなに毛利が嫌いか?」
「味方をも平気で裏切り、切り捨てる奴だ」
本当の事を言ったまでだ。しかし、毛利を嫌う理由が、別にあった。この感情が何なのかは分からない。ただ一つ、確かな事は、

「…好ましくは無い」
私から海を奪う、奴が憎い。





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bkm
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