眼下に広がるのは海のような青い絨毯。その絨毯に沿うようにして左右に並べられた白い華が目を惹く。
絨毯は細長く道のように敷かれており、その先には祭壇が置かれている。
見上げると天井には星のように輝くシャンデリアがあった。
パイプオルガンの荘厳な音色と聖歌隊の美しいハーモニーが全体を包み込んでいる。
七城翡翠(しちじょう ひすい)と七城緑(しちじょう ろく)は教会の二階、中央の観客席から一階を見下ろしていた。

「わぁ〜凄いね〜」
翡翠はいつもの様に間延びした声で言った。隣で同じ様に眺めている緑はそれには反応せず何か禍々しい雰囲気を感じ取っていた。
ここの教会は特殊な構造で一階がメイン会場、二階はそれを見渡せるような観客席になっていて、観客席はそれぞれ右、左、中央と三分割され劇場のようになっていた。
普段は礼拝堂だが、結婚式場にもなるらしい。
七城たちは孤児院に暮らしている。今日ここにいるのはその孤児院宛に招待状が届いたからだ。

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