此処は奴のterritory。












「希空ちん」

『ムッくんどーした?』

「次の授業抜けよー」

『え?』

「近くに新しいお菓子屋さん見つけた」

『えっいこいこっ!』






こそこそと話す休み時間。
そうムッくんとはお菓子大好き同盟をくんでいるのだ。
情報を交換したり2人で新味の検証をしてみたり…たのしくてたのしくて。
でもいつも怒られるんです…赤司様に…





「赤ちんには内緒だよ〜?」

『勿論だよっバレてはならない…っ』

「オレに何がバレるって?」

「『ッ………なにも…』」

「オレに隠し事をするようになったのか?2人とも…」

『イエ…ソーユーワケデハ……。』

「ちょ…希空ちん、俺の後ろに隠れないでよ…」






怖い目で睨まれては嘘なんてつける自信はない。
ゆっくりゆっくり慎重に

ムッくんの後ろに隠れた。

焦るムッくんは赤司様には逆らえない、しかし大好きなお菓子…どっちをとる…?






「お前たちが2人で居るときはろくな話をしていないからな。」

「ひどいな〜そんなことないでしょー」

『…そーだそーたー!』

「成宮。言いたいことがあるならでてこい」

『シャベリマセンッ。』






で?と追い討ちをかける赤司様に…
ムッくんは負けた。お菓子屋さんに行くと言う話を話せば声的に、見えてないのに目が怖くなったのがわかった。





「オレの言いたいことはわかるね?」

「……赤ちんが言うなら仕方ないし〜。」

「オレは聞き分けの良い君たちは好きだよ。」





そう言って去っていった怖い人。
取り敢えず一件落着、させられた…
お菓子買いにいけないじゃん…うー、お口はとっくにお菓子だぜ

監視カメラでもついてんじゃねーの??






「あーぁ、いけなくなっちゃったねー…」

『あの人に見つかっちゃおしまいさ…ねぇ、諦めるの?』

「赤ちんに見つかったんだよー、あきらめるしかないじゃーん」

『教室違うしわかんないって!』

「相手は赤ちんだよ?」

『いーからいーから!いこっ』







半ば無理矢理にムッくんを連れて靴箱へ向かう。
よしよし、いい感じだ。

靴を履き替えようとしたときにちょうどチャイムが鳴り誰もいないしこれは成功
なんだ、赤司様もなかなかチョロいじゃないか!






「こんな所で会うなんて奇遇だね。2人とも」

『え…なぜそこに…』

「オレは言わなかったかな?聞き分けの良い君たちは、と」

『言いました…ちょっムッくん、無理だって…』

「どうする?」

『もどります…』







じゃーなんで君はここにいるのさっ!!
ムッくんなんてなにも話さないし
しかもデカい身体で私の後ろに隠れようなんてそんなのムチャでしょ…
突き出された感は凄くありましたよ?はい…

はぁ、仕方ない…昼休みは持ってきたお菓子をたべよう…






『ムッくーん!これ食べよー?』

「俺それ食べたことない」

『美味しいよ?お土産でもらったものでなかなか手に入んないの!』

「珍しいんだ?…うん、食べるー…」





美味しそうに食べるムッくん。
私もムッくんのお菓子をもらって二人で幸せな一時…のはずが…





「なにしてる…」

『うわっ…また』

「オレが来たらまずいことでもあるのかな?」

「ないよ〜」

『ないけど…』

「ないけど?」

『なんでもないわっ』





此処は奴のterritory。






「こんなものうちの購買には売っていなかったはずだが…」

どこまで把握しとんじゃーおまえわっ!!

「うまいな…」

食うんかいっ!








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