ぷらいど









「成宮…」

『はい…』

「今日の自主錬に付き合ってくれ」

『はい、いいですよ?珍しいですね…自主錬は集中したいからっていつも…』

「詮索はするな…オレの命令は絶対だ。」

『はいはい。』






放課後の練習中、話しかけてきたのは主将、赤司征十郎。
この人は1か100しかなく命令は絶対とかって持論をもった自己中心的人物。
でも確かに言うことを聞いていれば失敗はしないから間違いはないんだろう…


まぁ実際のところ歪みっぱなしのこの人は自分に逆らう奴を許さないわけで…
場所?そんなものは関係あるはずもなく…
今日もまた…





「…親でも殺す。」



言ってるよ。
ほんとなに考えてるんだか…言葉数がすくないもんだから意図が伝わらずに不満を抱える人だっているだろうに…

ねじ伏せちゃうんだから…

まぁ実力があるからだれもなんとも言えないわけで…





「別に逆らってるんじゃなくて」

「じゃあなんだ、オレの命令を無視して意見を述べるのは逆らうことじゃないと?」

「いや、その…無視じゃなくて…」

『もういいでしょ?それ以上やっても意味ないし』

「いや…だけど…」

『ごめんね、言い分も分かるけど今は信じてやってみて?絶対に結果はでるから』

「あ、はい…」






やっぱりそう素直に受け入れられる人ばかりではなくて、やり方についてこれない人も多い…
今日の子たちはちょっとしつこいっていうか、あの目を前にして言い返せるのは度胸があるね





「赤司、もういいのか?」

「あぁ。」

「成宮っちもさすがっスねー。突っかかってきた人たちも落ち着いたみたいだし」

「ほーんと、暑苦しくて嫌だよね〜…」

『はいはい、いいから真面目に練習してよー?』






一軍メンバーと二軍メンバーの面倒をみるのはなかなか大変でいつもへとへとになってしまう。
まぁ選手に比べたらたいしたことないし弱音なんてはいてる暇はないけどね。





「「おつかれっしたー!」」



全員の練習が終わり各々帰って行くなか、自主錬を始めるメンバー
さてと、付き合えと言われているから赤司征十郎のもとへ…




向かう先はトレーニングルーム。
うちの学校はスポーツに異様に力をいれてるせいかトレーニングルームがあり設備は良すぎる…

まぁみんな体育館を使うからここを使う人なんてあんまりいないんだけど…






『赤司くん?』

「来たね…二人だ、その呼び方はやめてくれ」

『はいはい、征くん。』

「オレを子供扱いするのは希空だけだ…」

『別に子供扱いしてるつもりはないけど』





ちらっとこちらをみてから練習に戻る。
汗を流してストイックに練習する姿をみて心配にもなる。
自分に厳しいのも考え物だとこの人をみてなんかい思っただろうか…






『今日やりすぎじゃない?筋肉も張ってるしあんまり無理しないで、ストレッチとかに切り替えてほしいんだけど…』

「それは、マネージャーとして?それとも彼女としてかな?」

『どっちだったら言うことをきくのかな?』

「………オレに言わせたいのか?」

『彼女としてだよ』






身体を止めてゆっくりとこちらに向かってくる彼ににこりとほほえんでみると
凭れるように抱きついてくる。
肩に額を乗せてくる彼はいつもの彼とは正反対で私しか知らない姿。







「どうしてあいつらをかばった?」

『え?…あー練習のこと?…別にかばったとかじゃないよ。むしろ征くんの言ってることが正しいと思ったし。』

「それなら、オレについてくれたらよかった」

『マネージャーとしては取りあえずあの場をおさめるのが先だと思ったんだよ、ごめんね?』







この人のたまに見せる子供っぽいところに私は安心したりする、弱みなんてみせないし…それがこの人なんだろうけど
それでもやっぱり人間らしいというかなんというか…こういう姿にホッとする。


タオルを出して汗をぬぐってやれば彼は黙って身を預けた。








「おーい、赤司!そろそろ帰ッ…え…」

『あ…』

「なんだ…青峰か…」

「成宮っちー帰るっス…え…」

『いや、もういいよ…それ』

「そうだ、そろそろみんなに教えておかないとね…」

『…え?』




ぞろぞろと帰りのお迎えに来てくれたカラフルな頭を目の前に慌てることなく身体を少し離せば
なんの前触れもなく
ムードも
状況も

こちらの事情もお構いなしに


気がつけば唇に触れてる柔らかいそれ…

目を閉じることを忘れた私の前にドアップで映っている整った顔…




状況を把握すればするほど赤面していく私の顔は確かに見られている訳で…




しばらくして離れる彼を驚いて見つめる








『ちょっ…なにしてんの!』

「たまには余裕のない彼女も見ておきたいからね。と言うわけで先に帰ってくれるかな」

「ぁ…おう…じゃあな」







ほんとに勝手。
さっきまで可愛いモードにはいってたくせにどんだけ意地っ張りなんだか…


でもやっぱり手離せない。
自己中心的考えに巻き込まれてはもう終わり。



「僕のものだろう?希空。」












ぷらいど



(…緑間っち、真っ赤っスよ?)

(少し黙れ。)

(あーあ、赤ちんのになったらもう近寄れないじゃん…)

(つーかよ、あいつらの上下関係どうなってんだろな…赤司、抱きついてたぞ)

(青峰くん、それをいったら殺されますよ…)











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