私、逃げます!!!!













「ゴミクズ!」

『は?』

「どけ」

『いやここ私の席なんだけど。』

「僕が消えろと言ったら消えろ。」

『いや普通に考えて無理です。先生に言ってクダサイ…』





いきなり罵声を浴びせられているのは可哀想な被害者の私
それをしている大嫌いなこの加害者は赤司征十郎

あーもう名前が頭によぎるだけでイッラァーですわ!
ほんと

コイツは何かにつけて私に絡んでくるのです!!
ほんと意味分かんないっしょ!?私こいつになんもしてないのよ…






「先生、目の前にゴキブリが居るので退治します。」

『ご、ゴキ…ッ』




よりにもよってあんな奴と同じにされようとは…人生の汚点だわ…
いや待て、人生でゴキブリ扱いをされるなんてことは普通ないわけよ…全てはコイツが…






「ん?赤司か…あぁ、手際よく排除しなさい」

『バカーーーーー!!!!!』





排除してくれじゃねーよ!
知ってる?この人人間にハサミ向けてんのよっ!!!!
もう排除、あ…いや…殺人する気満々なのよっ
私、逃げますっ!


一目散に駆け出したっ

教室からの“こらー二人ともーの声なんて知るかっ”

ん?二人……?







『なんでついてきてんのよぉぉぉお!!!』

「僕は獲物を逃がさない」

『いや、もういいよっ獲物じゃないし!私確かに人間ですからーーー』

「人間?…はっ…」





追いかけながら鼻で笑うなや!!!!
後ろから虚しく“はっ”ってのが飛んでくるこっちの気持ちも考えやがれコンチクショーッ!


まじでなんなのアイツ、毎日毎日こんなこと繰り返して…
暇なの!?ねぇ暇なの!?







「捕まえた…」

『うっ…最低…ッ死ぬわ私…』

「……」






何も言わずニヤニヤ笑うのやめろや。
そりゃ勝てねーよ、だって運動部VS帰宅部だもの







「逃げるからこうなるんだ」

『いや、逃げてなかったら死んでたし!しかも男が女を追いかけるとか捕まるに決まってるじゃん、フェアじゃないわぁ…』

「そうか、メスか…ゴキブリの性別を考えて追いかけたことはなかった…すまない」






やめてくれるッ!そこで謙虚に謝るのッ
もう私ゴキブリになっちゃうからぁ!!!
普段謝んないくせになんなんだよお前っ








「さてと」

『…?』

「そろそろお別れの時間だ…」

『いや、いやいやいや…ハサミ下ろしてくれるかな。』

「いや、君はゴキブリの中じゃ好感度が高かったよ、悲しいけど殺さないとね」






いやお前のその殺人衝動なんなんだよ!!!まじで!!
ゴキブリ扱いされてる時点で好感度相当下じゃねーか!
どこに下の下の上を嬉しがる奴がいるんじゃ!



悲しいの言葉に反して口角あがってんぞお前ッ



くそ、ここは自分を押し殺してゴキブリとして話してみるしかないか…
命の為だ、堪えろ私…





『ほ、ほら…私殺しても意味なくない?一匹みたら30匹は居るって言うし…』



ちょっとやめて、そのニヤリ…怖いんだけど…



「そうか、殺すのをやめようかと思ったが30匹も居るなら1匹くらい殺してもいいか…」



チョイスミスーーーーッ!!!!!!!


『や、やめて?そんなに簡単に命摘み取らないで!!!ゴキブリだって生きてますぅぅぅ!!!』 






もうゴキブリでもなんでもいいわ
ちょ、ジリジリと間を積めるのやめてくれるかな…
ほんとに怖いのその見開いた目、そのハサミ…

もう私に近付かないで、あ…席隣だわ。
いや、でもそれは不可抗力なわけでしてね?
決して私が悪いわけではないですし







「君との追いかけっこは楽しかったよ」

『ちょ、最後の言葉みたいなのやめてくれる?一応クラスメートなんですけど…死んだら大変なんですけどおぉぉぉ!!!』

「はっ…勘違いされたら困る。狩るものと狩られるもの…そこには隔たりがある」





隔たりだって!
何様ですか貴方っ


もうつっこみ疲れたからこんなの止めるわっ!!!!!!!















いや、諦めて死ぬ訳じゃありませんよ??
断じてこんなヤツには殺されませんとも!!!!!!!

屈したりはいたしませんっ









私、逃げます!!!!




反省文。

中途半端に終わらしたことを深く深くお詫び申し上げます!
そして読者様をゴキブリ扱いしたことを赤司征十郎のかわりにお詫び申し上げます…

キャラ崩壊申し訳ないっ
こんなの絶対怒られるわッ!!!

赤司くん大好きっ!!!!!!!←






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