何で新年早々土方コノヤローの面を見なきゃいけねーんだ。近藤さんに山崎っていつもの面子じゃねーか。むさ苦しいことこの上ない。
俺が楽しみの欠片もない初詣をする羽目になったのは、ひとえに俺の彼女が原因である。あいつ、俺が折角誘ってやったのに「バイトがあるから」なんて抜かしやがった。初詣より大事なバイトって何だ。正月にバイトなんか入れてんじゃねえよ馬鹿。

そんな風に心の中でけなしていた彼女が、今俺の目の前にいるのは何だろう。しかも、巫女服。今日はコスプレ大会だっただろうか。

「いや、だからバイトだって」

「まさか神社でバイトとは思わねえだろィ、普通」

とりあえずおみくじだろ、と並んでみたら売り子がまさかの恋人。新年明けて初めて会う彼女が巫女服ってのは喜んでいいのか正直悩む。可愛いけど他の野郎に見られんのは癪だ。そんなことを言ったらなまえはちょっと怒ったように100円です、と言った。あ、照れてら。

「あけましておめでとう」

「あけましておめでとうございやす、なまえ」

仕事中なのに邪魔するのも悪いと思ってそそくさとその場を離れた。下手に長居して土方とかに気付かれる訳にはいかない。
あ、あいつらとっくに他の売り場でおみくじ買ってんじゃねーか。
奴らの動向を確認してから開いたおみくじは大吉だった。

「『愛を捧げよ、幸せあり』…」

恋愛のところに書かれていた文句を読んで、俺はそれを半分に畳んだ。
今更そんなこと言われなくたって分かってる。

「いくらだって捧げてやらァ」


嗚呼、君よ永遠なれ!
いつまでだって愛してる
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