守リュ:二次創作 | ナノ
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おもちゃなちゃちゃちゃ☆

*しょーもない話です要注意。R18。守×リュート



「へー、結構広いな」
バタンと後ろでドアが閉まる。
先に部屋へと入っていった守のあとを追いながらリュートはそっと視線を巡らせた。
暖色系のほの暗い照明の部屋は恋人たちのための場所だ。
いわゆるラブホテルにふたりは来ていた。
室内はビジネスホテルとさほどかわらないような気もするが、大きなテレビにクイーンサイズのベッドが部屋の半分以上を占めるように設置されていてつい目が行ってしまう。
「風呂も広いなー。リュート見て見て! ジャグジー付だって!」
バスルームから守に呼ばれ覗き込む。
二人でも十分余裕で入れそうな浴槽を指さす無邪気な笑顔の守と目が合い、リュートは、
「ふーん」
と素っ気なく返事をして部屋のソファーに腰を下ろした。
足というか身体が思考がムズムズする妙な感覚。
守と付き合いだして2週間。
もうすでに身体を重ねてはいるが、こうしてラブホテルに来たのは初めてだった。
もちろん生まれて初めて、だ。
守が初めてかは知らないし気になるが今は緊張と気恥ずかしさと物珍しさで、それを抑えるために黙って座ってるだけで精いっぱい。
目だけをきょろきょろと動かし室内を観察していると守が戻ってきた。
「風呂入るよね? お湯いれてるから。一緒入ろう」
隣に腰を下ろし満面の笑みを向けてくる守に一瞬でリュートは顔を赤くさせそっぽを向く。
「一緒に入るわけねーだろ! ひとりで入れ!」
「ええ? なんで? 大きなお風呂だったから一緒入れるよ?」
不思議そうに守は首を傾げ、バカ、とリュートはさらに顔を背けた。
「い、いい! 俺はひとりで入る!」
「えー。入ろう!?」
「いやだっ!」
無理無理、無理だ!
一緒に風呂に入るなんて恥ずかしすぎて死んでしまうかもしれない、そんなことを思いながらも入ったら入ったで守がどういう順序で洗って行くのかを見るのも楽しそうだ―――なんていうことを考えリュートはハッと我に返り自分の頭を叩いた。
「……なにしてんの?」
「なんでもねーよ!」
「そ? じゃ、今度一緒入ろうよ! ね?」
身体を寄せて、次はどこのラブホがいいかなー、と笑いかけてくる守。
「……今度な」
そっぽを向いてようやくの思いでそれだけを言う。
そっけない声だったはずなのに「やったー!」と嬉しそうな声が響いてきて口元が無意識のうちに緩んでいた。
「じゃあ入ってくる!」
「……ああ」
次は約束だから!、と笑って守はバスルームにひとり入っていった。
それを見送ってそっと溜息をついて―――しばらく。
ドア越しにほんの微かにシャワーの音が聞こえてきて、ちらちらとリュートの視線が動きだした。
守がいたから恥ずかしさで見れなかった室内を興味津々に見まわす。
そろそろとベッドに向かっていって飛びこんでみたり。
もちろんベッドからおりたあとはシーツの皺をきれいにして何事もなかったようにしておいた。
「ゲームやカラオケもあるんだな」
やたらと大きなテレビのそばに備え付けられたそれらを眺め呟く。
そしてそういえば兄ネイトと鈴哉が"カラオケ"に行っていたことを思い出してふと苦笑しながらソファーへと戻る。
部屋への興味はだんだんと守がお風呂からあがってくるこれからのことへと変わっていく。
守が戻ってきたら次は自分が風呂にはいり、それからあがると、そのあとは―――……。
自然とベッドが目に映り顔が熱くなる。
そういう場所だとはわかってはいるし、そういうつもりで来てはいるが、それでも慣れないし恥ずかしいものは恥ずかしい。
もちろん嬉しくはあるけれど。
「……なにか飲もうかな」
緊張すると喉が渇いて、冷蔵庫を探す。
ぱっと見は見当たらず首を傾げながら戸を開いていくと、自販機があった。
ビジネスホテルなどにありそうなワンプッシュ式の自販機。
ボタンを押せば中の品物が出てくるタイプだ。
透明の小さい窓越しに中の商品が見える。
じーっとリュートは商品を眺め、
「…………ッ」
その場に座り込んだ。
自販機は自販機、だが、その中身はジュースなどではなくリュートがリアルに初めて見る品物で。
それはいわゆるアダルトグッズといわれるものだった。
急激に顔が熱くなって、慌ててきょろきょろと周りを見回す。
あたりまえだけれど自分ひとりだということを確認してほっと溜息をついて―――ドキドキしながら顔を近づけた。
自販機にはコンドームやローターなどが入っていた。
「……」
カラフルな"物体"が派手なポップつきのパッケージに入っている。
このラブホテルは男同士でもOKだからか、それともどこでも置いてあるのか、アナル用とかかれたおもちゃがいくつかあってついじっと見つめていた。
「……電動……」
オレンジのスケルトンカラーのでこぼことしたボディのオモチャ。
「10……連結……」
パープルのスケルトンカラーの大小のビーズが連なったオモチャ。
「……エネマ……っ」
前立腺用のオモチャやらと様々なものが用意されてた。
リュートは顔を赤くしたり青くしたりしながらも凝視する。
(……これ、入るのか? 無理だろ! だって、こんな長いの。いや、無理!)
10連結ってどんなんだよ!しかも電動って!、と胸の内で叫びながらもやっぱり凝視していると―――。
「なになにー。電動アナルプラグ? うわ、すっげー色!」
突然後で声がした。
びくり、と大きく身体を震わせて思考を停止させるリュート。
ゆっくり振り返ると同時にバスローブ姿の守がリュートの肩に抱きつくようにして自販機を覗き込んだ。
「へー! 結構いろんなのがあるんだなー。なんかいいのあった?」
「……」
「リュート?」
「……あ、あ、あるわけねーだろっ」
一気に爆発しそうなくらいに顔を赤くしてリュートは守から飛び退いた。
心臓もありえないくらいに速くなっている。
「お、お前いつのまにっ! ちゃんと温まってきたのかよ!」
「えー。だってリュートがはいらないっていったから風呂ためてないよ。それにどうせいまから汗かくんだし、シャワーだけ浴びてきた」
「そ……っ」
反論しようとしたが、言われれば確かにそうだという気もするからなにも言えずに言葉を飲み込んで、アダルトグッズを見続けてた羞恥に顔を背けた。
「どれか使ってみる?」
「……使うはずねーだろ! ばか!」
「えー? なんでー?」
「……なんでって」
「あ! これ!」
突然叫ぶ守に驚きながら視線を戻した。
守はオモチャのひとつを指さしていた。
「な、なんだよ」
「これネイトがいいっていってたやつだよ」
「……兄さんが?」
気になってつい覗き込んでみる。
「電動アナルビーズだって! 角度がいろんなところに曲がるのがポイントで、すっごくいいらしいよ」
「……」
「買ってみる?」
「……」
「せっかくだから買ってみようか」
購入ボタンを押そうとする守にリュートは我に返ってその手を掴んだ。
「い、いいっ!!」
「えー?」
「そんなもんいらねーよ!!」
「でもネイトがいいって言ってたし」
「……っ」
大人の玩具を買うなんてありえない、はずだ。
だがネイトの名前を出されるとつい心が揺れる。
「なんかすっげぇ燃えたらしいよ?」
「……っ」
「ためしに見てみよう!」
「っ、あ! おい!」
リュートが躊躇っているのに気づいた守があっさりと購入ボタンを押してしまった。
カチャン、と安っぽい音が響いて商品が入っている小さい窓があく。
固まるリュートをよそにうきうきとした様子で守は商品を取り出すとパッケージから中身を取り出していった。
「へーすっげぇー」
初めて見るオモチャに目を輝かせた守はすぐに電池をセットするとスイッチを入れた。
機械音が響きだしてオモチャはまわりだす。
「……」
「すっげー! これまじでナカでもこんな動くのかな!?」
「……」
守がオモチャをリュートの目の前に持ってくる。
「これにローションつけて大丈夫なんだよね!? 壊れないよなー」
「……」
「先にローションでほぐしてからーでいいんだよなー」
「……」
説明書を取り出して目を通しながらぶつぶつ言っている守に、オモチャに釘づけになっていたリュートは守の言葉を徐々に認識していって―――
「はぁ!? お前、勘違いしてないか!? 俺は使わないからな!?」
「えっ? 使わないの!?」
「あ、あ、あ、当たり前だろ!!!! こ、こ、こんなものっ、使うわけない!!」
「えー!? でもこれ3000円……」
「俺が金出すから、絶対使わない!!」
「でも……。ネイトがイイって言ってたし」
「……だ、だめだっ!」
守と肌を重ねるのでさえ恥ずかしいのに、大人の玩具を使う余地なんてあるはずがない。
顔を真っ赤にさせたままリュートはぶんぶんと首を横に振りまくる。
「えー……でも。ネイトがこれすっげぇ気持ちいいって言ってたのに」
「……に、兄さんがどういってたってダメだっ」
「……リュート」
「なに言ったってダメ―――……っン」
ダメだ、と言い終わる前に守の顔が目の前に来たと思ったら口を塞がれた。
身体を抱き寄せられて、ふわりと漂ってきた守からのシャンプーの匂いにふと気が緩む。
ぺろりと唇を舐められて、思わず唇をわずかに開けば舌が入り込み容易く舌を絡め取られた。
「……っ…ん」
これまでのやりとりなんて一瞬で吹き飛んでしまう。
絡みついてくすぐってくる舌先に小さく身体を震わせながら、恥ずかしさと身体に仄かな火がともるのを感じて守にすがるようにしがみついた。
「……リュート……大好きだよ」
ちゅ、と一瞬離れ、守が柔らかく笑う。
「……ん」
頷く言葉はまた口が塞がれて言うことができなかった。
そのかわりにおずおずとリュートは自分から舌を絡めていった。
そして二人はベッドに移動して―――。


「……っあ……、やだ……っ、守……ンンっ」
「まじ綺麗、リュート」
「っああ、まも―――!!!」

しばらくしてひときわ高い声が響き渡った。



―――――――

―――――

―――



「ただいまー」
夜10時近く、帰宅した守をキッチンにいた鈴哉が出迎えた。
「おかえり」
コーヒーを飲みながら何気なく守に視線を向けた鈴哉がぎょっと目を見開く。
「どうしたんだ、その顔。リュートとケンカでもしたのか?」
守の頬にはくっきりと赤い手形がついていたのだ。
鈴哉の指摘に苦笑いを浮かべ、頬をさすりながら守もキッチンにはいる。
冷蔵庫からペットボトルのジュースを取り出し蓋を開け、ごくごくと一飲みしため息をついた。
「んー、それがさー。ちょっと無茶しちゃって、途中でリュートが怒っちゃってさ」
疲労のにじみでる守の脳裏によみがえる、ラブホテルでの甘いはずだったひと時―――。



『む、無理っ!!』
『へーきだって! 大丈夫大丈夫。すっごく気持ちいいらしいから』
『や、やめっ、んっああ、やっ』
『うわーすっげー、もう三つも入ったよ。どう? スイッチ入れたまま入れてったほうがいいかな?』
『……っふ、ぁ……あ』
『どんな感じ?』
『ま、守っ』
『気持ちいい?』
『……っん、……のっ!! ばかッ!!! いやだって言ってンだろッ!!!」
真っ赤に顔だけじゃなく身体も染め、目を潤ませたリュートの顔を覗き込んだ守は、その瞬間強烈な平手打ちを食らったのだった。



「へー、何したんだお前」
「……いやー。よさそうにしてたんだけどなー……」
(イヤとは言ってたけど、あっちのほうはちゃんと反応してたし……)
だがさすがに大人の玩具はまだ早かったかな、と内心ため息。
平手打ちのあとはオモチャを自ら抜き取ったリュートがバスルームに籠城してしまい、なんとか許してもらえるように謝り倒すので休憩時間はあっという間に終わってしまったのだ。
ラブホテル代にオモチャ代にと金だけが飛んでいった時間だった。
「あーあ」
せっかくリュートにめちゃくちゃ気持ちよくなってもらおうと思っただけなのになぁ、と守は何度目かのため息をつく。
そして、
「あ」
と鈴哉を見た。
「なー、スズ」
「なんだ?」
「あのさーリュートにアレ使おうとして怒られたんだけど。実際アレってどう?」
「……アレ? アレってなんだ」
「ほらーアレ。電動アナルビーズの……なんだっけいろんな角度に動くってやつ。えーっと商品名はー……」
「……」
「この前ネイトと使ったんだろ? どんな感じだった? ていうかさ、アレって全部入るの? ナカで動いてるのわかるの?」
「……」
「ネイトがスズがアレ使ってすっげーよかったって言ってたから、気になってたんだよな」
「……」
「今日たまたま入ったラブホに売っててラッキーって思ったんだけど。リュートは恥ずかしいのか使ってくれなくってさ」
「……」
「あ! そうだ! 今度リュートに使用感とか教えてあげてよ! そうすればリュートもきっ―――」
言い終わる前に、強烈な蹴りが入れられて守はその場に座り込んだ。
「ってぇええ! な、なに、スズ!?」
「……アレは捨てろ。いいな」
突然のことに唖然としていると鈴哉が恐ろしく冷たい眼差しでそう吐き捨て、自室のドアを勢いよく閉め引きこもってしまった。
「……俺、なんかした?」
残された守はひりひりといまだに痛む頬と蹴られた腰を撫でながら途方に暮れ。
そして結局、例のアレはゴミ箱へと泣く泣く捨てられることとなったのだった。



おわり。





おまけ:
ネイト×鈴:電話にて。



「お前っ、守にあのこと話しただろうっ!!」
『あのことって?』
「……あ、あの……電動の……」
『電動?』
「……だ、だから……このまえホテルで……」
『ホテルで?』
「……っ、ビーズだっ!!」
『ビーズ?』
「……お前、わかってて言ってるだろっ! アナルビーズのことだ!!!」
『ああ。あれねー。スズナリがめちゃくちゃイキまくってドロドロになってたあのオモチャねー』
「……っ」
『なにあれがどうかした? また使いたくなった?』
「……イキまくってなんか」
『珍しい、スズナリ嘘ついちゃだめだよー?』
「嘘なんかっ」
『俺よりもあのオモチャのほうがよかったのかなーって俺ショックだったんだからー』
「……そんなことっ」
『ない?』
「……ない」
『じゃあ、これから試してみようか? 一時間後にいつもの場所で待ち合わせなー』
「ああ!? おい、ちょっと待て!」
『今日は朝までがんばっちゃおうかなー♪ んじゃあ、あとで〜』
「お、おい! ちょっ、ネイト!!」
焦って叫ぶも、電話は切れた後。
鈴哉は真っ青になってすぐにネイトへとかけ直すが留守番電話サービスにしか繋がらず。
「……」
一方的にとはいえ"約束"を反故にすることなどできずにしかたなく―――鈴哉は夜更けに外出することとなってしまったのだった。



☆おまけ終わり☆






memoでみたラブホテルでバスローブな守リュを見て(電気ついてる自販機見て)、どうしても書きたかった、しょうもない話。
チョコさん、すいませんすいませんすいません(謝)