02
嘉信くんが来た次の日は学園内を案内してあげて、あとはゴローちゃんともばったり会ったから紹介してあげた。
美形なゴローちゃんに嘉信くんは、
「儚げ美人受けか……。副会長……いや会計あたりでもいーな。んで、生徒会役員に風紀から溺愛総受けで……」
なんてぶつぶつ呟いてた。
ああほんとうに腐男子なんだなぁ、って僕としてはとっても嬉しかったけどゴローちゃんはかなりの美形で見た目からも強そうな雰囲気がする嘉信くんが腐男子というのにかなり驚いてたみたい。
でも僕で耐性があるからか引いたりはしてなかったけど。
ちなみに王道学園じゃなかったせいか嘉信くんはもう変装をといてた。
金髪はそのままカラコンは外しちゃってたけど。
そんな嘉信くんと夕方お部屋でデータチェック。
副総長の涼さんが王道生徒会候補になる生徒をピックアップしてメールしてくれたんだって。
ていうか、すごいよね!?
だってまだ編入してきてないのに生徒の情報知ってるなんて!
嘉信くんが言うには嘉信くんのお姉さんの手配らしいけど。
でもすごいのはそれだけじゃなくって何人かの候補にあがった生徒の選別。
だって候補のひとたちは僕の中でよく妄想する王道生徒会にぴったりあったひとたちばっかりだったから。
「この結城さんって学年でいっつも10位内にはいるひとなんだけど、クールでかっこいいよー」
「ほうほう」
写真を指さしながら、一応僕が言ってることは資料にも書いてあったんだけどつい言っちゃう。
「で? 例のランキングでは?」
この人はね〜、なんて説明してたら嘉信くんがニヤリって感じで笑って来た。
「例のランキング?」
「ほらー、忍ちん。王道学園における生徒会役員選抜のランキング!」
嘉信くんがグッと親指立てて、ウインクしてくる。
「……あ、ああ! 例のね!」
「そうそう」
ようやくわかったよ!
僕ってば腐男子なのに、うっかりしてた!
王道学園では生徒会役員の選抜は"抱かれたいランキング"と"抱きたいランキング"の上位者で構成されてるんだよね。
そう考えて候補者を見ると……どうしよう、頬っぺたが緩んでくる。
「えーっとね、この深谷さんは、抱かれたいランキング……4位かな〜。サッカー部のエースなんだけど、すっごーく美形なのに泥まみれになっても爽やかで、体つきも逞しいし、でもガチムチって感じじゃなくって」
「細マッチョって感じか」
「そうそう! すっごく優しいしね、いいよー!」
いつも妄想してたランキングを話せるなんてテンションが上がっちゃう。
あ、でも本当に僕は腐男子なだけで、男の子が好きなわけじゃないんだけど。
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