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「んっ、は……っ」
「またイキそう?」

唇が離れていき浅い呼吸を繰り返す俺の様子を見て下唇を甘噛みしてくる。
肯定のかわりに智紀さんにもたれかかると、

「じゃあ一緒にイク?」

と、鈴口に爪を立てられて身体が跳ねた。
羞恥なんて有耶無耶になってしまうくらいに頭が沸騰してしまったかのように熱くて、揺らされる身体が震えてしかたなくて、俺は素直に頷いてた。
笑う声、だけど掠れている。
密着した肌にお互い汗が滲んでいた。

「最後はやっぱ顔見ながらがいいよね」
「……ッ、うあ……っあ」

激しく下から一突きされたかと思うと、ずぶずぶと引き抜かれる。
ぱくりと後孔が開いている感覚。
最初あんなに苦しかったのに喪失感が激しくて無意識にまた腰を落とそうとしたら喉を鳴らす音が後ろから聞こえた。

「そんなに俺のが欲しい?」

背中を押され布団に寝かされる。
あおむけになった途端脚を抱えられてすぐに後孔にぬるりと濡れた硬いものが触れる。
あっさりと先端が抵抗なく入り込んでくる。
それだけでぞくりと刺激が背を這い腰のあたりが疼いた。
だけどそのままそこで智紀さんは動きを止めた。

「ね、千裕。言ってよ」
「……っ……なにを」

勝手に腰が揺れてしまう俺にいつもとは違う爽やかなんかじゃない、雄臭い笑みを浮かべ智紀さんは首を傾げる。

「おねだりってやつ」
「……」

いつもなら俺だって、ばかじゃないのかとか、言えるわけないだろ、って思う。
でもいまはどうすればいいのかって、なんて言えばいいのかって、考えてしまう。

「千裕、俺早く突っ込みたいんだけど」

じゃあ早く突っ込めよ。
言いたけど言っても無駄だってことは意地悪そうな顔を見れば一目瞭然。
眉間にしわがよるのと同時に顔が熱くなるのも感じた。

「……俺も…………です」
「え? なに?」
「……」

確かに小声だったけど、聞こえてんだろ!
つい睨んでしまうと、笑いながら智紀さんは俺の半身をつかみ上下に扱きだした。

「……っ、ぁ」

吐射感が競りあがり、だけど物足りない刺激に身体が疼く。
いや、後孔がひくついてんのがわかる。
足りない。

「……ほしいです」

じっと俺を絡め取るように見つめる眼差しに耐え、必死に言葉を探す。
結局、智紀さんと同じように単純なストレートな言葉しか見つからないけど。

「突っ込んで……ほしい」

イキたい、と最後は小声になった。
まだ焦らされたらどうしようかと心配だったけど、俺のを握りこんだまま智紀さんは俺の右耳の横に手をつくと腰を押し付けてきた。
深く、満たされる。

「よくできました」

汗が俺の頬に落ちてくる。
俺を侵す男の顔を見上げれば、妖艶な笑みが落されていて目を奪われた。
開始された律動に身体の芯が痺れるような感覚を味わいながら傍らにある智紀さんの手をつかんだ。
一瞬目を眇めた智紀さんはすぐに俺がなにを言いたいのかわかったようで、口角を上げ俺の顔に影を落とした。

「ん……っ……ぁ」

この人と会って知ったことがたくさんある。
俺って結構キスが好きなのかもしれない。
……もしかしたら、この人のキスが―――かもしれないけど。

「千……裕」

キスの合間に響く低い声。
からかいも余裕もなにもない声に煽られ、俺もリズムに合わせるように腰を揺らし、舌も身体も絡めあわせて昇りつめる。

「ッ……ぁ……っは……ッ!!」

肌がぶつかり合う音が激しさを増していって射精感とは違う快楽の波に身体が大きく痙攣した。
びくびくと身体も後孔も震え、智紀さんのを締め付けて熱い脈動を感じた。

「……っく……」

呻く智紀さんの声と膨張するその半身。
ゴム越しに熱が吐き出される感覚と、合わせるように俺の半身も吐精を促すように擦られ、数瞬の間をおいて俺も白濁を吐きだした。

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