山奥深くにある広大な敷地にある全寮制の男子校凰学園。
その学園の校門前に佐枝優斗は立っていた。
明後日の月曜日からこの学園の教壇に立つのだ。
5月の下旬という中途半端な時期だが、産休に入った女教師の代わりとして臨時教師で赴任してきたのだった。

「―――よし。がんばろう」

穏やかで人の良い雰囲気をまとった優斗は笑みをたたえ気合を入れると学園へと足を踏み入れたのだった。


【優斗先生とGOGOGO!】


「よろしくお願いします」
「ああ。頼むよ」
「はい。失礼します」

一礼して理事長室を後にすると俺は校内を散策しつつ寮へと戻ることにした。
わりと裕福な家庭の子たちが過ごす学園は手入れが行き届いていて綺麗だった。
広い校内から校庭におりて寮へと向かう。
職員寮は生徒たちの寮から離れたところにあるけれど、俺は生徒寮内にある部屋にはいることになっていた。
若い男性職員が寮監として生徒寮に住むようになっているらしい。
きちんと部屋毎にトイレシャワーは完備してあるし、職員用の部屋は2LDKのつくりだからかなり快適だ。
今日は荷物を片付けないといけないな――。
寮のエントランスに辿りついたところで俺は後から駆けてくる足音に振り返った。



さあ最初の分岐だよ! やってきたのは誰?


@捺 「あれ、見たことない顔! 誰?」

A智紀「――こんにちは。もしかして佐枝先生ですか?」

 

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