魔王と悪魔と下僕くん


「ひっ……、も、や…だっ」

顔は涙でぐちゃぐちゃ。
下半身は何度もイったせいで白濁でぐちゃぐちゃ。
窓の外は陽が高く、まだ明るく室内を照らしてる。
カーテンもしてない窓の外、階下では校庭で昼食を終え遊ぶ生徒たちの笑い声がしている。
至極真っ当なお昼の風景が繰り広げられている校内。
その一角"生徒会長室"では真っ当でない光景が繰り広げられてた。

「”もーやだぁ”ってイッタのか? 春日井くん」

やたらと広い室内。
学園に置いてさまざまな特権を認められる地位にある生徒会長の執務室には仮眠室まであり、シングルベッドが置いてある。
その上には両手を頭上でひとまとめに拘束され、脚は折り曲げられ縛られた全裸の少年。
脚の間にある少年の半身は白濁で濡れていてそれを握り締める手が一つ。

「なにが、ヤなのかな、春日井くん」

少年の足元に座り、鈴口を指先で弄りながら目を細め少年を見下ろすのはこの部屋を与えられた"生徒会長"松里士織(マツリシオリ)。
珍しい名字に女のような名前。
サラサラの黒髪に同じように真っ黒な瞳。切れ長の目は冷徹に光り、見るものを委縮させる。
180近くある身長に、細いが均整のとれた身体。
纏うオーラは生徒会長然としているというべきか、一般の生徒と違うというべきか。
なんにせよカリスマ性を持つ男・松里は少年に微笑みを向ける。
決して優しいとは言い難い微笑みを。

「……も、っ、ムリ…っ」
「無理か―――。アヤ、春日井くんは何回イったかな?」

必死に涙をこぼしながら首を振り続ける少年を一瞥し、松里は窓際へと視線を向けた。
二人掛けの黒ソファーに足を組み本を読んでいた"アヤ"―――生徒会副会長の綾部修士(アヤベシュウジ)は胡乱に顔を上げ少年を見る。

「5回」
「そうか、もう5回もイったのか」

納得したようにわざとらしく頷き、口角を上げる。

「なるほど、もう我慢できないというわけだな」

突き刺さるような視線を感じた少年は濡れておぼろげだった瞳を松里に合わせ、瞬間身体を強張らせた。

「や、や、や……っ!」

その反応に松里と、そしてアヤも唇を歪める。

「どうしたんだ、急に」

ソファから立ち上がったアヤがゆっくりとベッドに歩み寄る。
そして反対に松里が立ち上がる。
少年は目を二人交互にさまよわせ小さく幾度も首を振った。
少年のすぐそばにアヤが腰を下ろす。
ベッドの軋む音に少年は凍りついたように動きを止めた。

「涼太」

低めのアヤの声が少年の顔に近づく。
若干明るめの髪色をし、中性的な顔立ちをした松里よりも男らしい相貌をしているアヤ。その体躯も松里よりも鍛えており、無造作に開けたシャツから覗く胸板は厚い。

「口、開けろ」

会長が"静"だとすれば、副会長は"動"。
正反対に見える二人。
だが少年に取ってみれば―――どちらも同じ。

「あ、の……ンっ」

不安を滲ませた声をこぼす唇が開いた瞬間、唇が触れ、舌がねじりこまれた。
歯列をなぞり、委縮する舌の裏筋を舐め上げられる。
執拗に絡められれば、もう毎日のように受けたその口づけに無意識のうちに応えてしまっていた。
水音を立て激しいキスを交わす二人を眺めながら、松里は再び少年の元に戻りベッドにあがった。
足元が松里の重みで沈むのを感じた少年は我に返ったように身じろぐ。
だが上半身はアヤに抑え込まれ、唇を塞がれて快感を送られていては抵抗もままならない。
アヤのキスを受け入れるしかできない少年の膝に松里が手をあて、押した。
腰が浮き、晒される後孔。

「……ンンンっ!!」

冷たい液体がそこへこぼされる。
その感触に逃げるように腰を動かす少年を押さえつけ、松里は手にしていた"玩具"を後孔に押し当てた。

「マッサージ、しようか」

艶のある笑いを含んだ声が落ち、そして少年の中に異物がゆっくりと挿入されていく。
ローションをたっぷりとまとわりつかせた指二本分ほど太さをしたソレは先端の若干太い部分さえ入ってしまえばあとは容易く奥まで滑るように挿っていった。

「だいぶ、慣れてきたようだね?」

奥まで突き刺さったソレ。少年の後孔から持ち手の部分が出ている光景は卑猥で松里は愉しげに目を眇めた。

「どっちがいいかい、春日井くん。挿送か―――、回転か」
「……ン……ん」

まだ少年には息もできないほどのキスが続けられていて、回答は得られそうにない。
松里は「しょうがないな」と呟くと、手の内にあるリモコンのスイッチをonにした。
静かなモーター音が響きだし、少年は背中をのけぞらせる。
そして松里は玩具の持ち手に手をかけるとゆっくりと挿送を始めた。

「ンンンー!!!!」

大量に垂らしておいたローションのお陰で滑りはいい。
濡れることのないはずの後孔からはぐちゅぐちゅと卑猥な音が鳴り響き、ほどなくして―――。

「ンンッ、っ」

6回目の放出となる白濁が少年の半身から吐き出された。
肢体を痙攣させている少年の腹部に飛び散った白濁はもうたいした量はなく色も薄い。
何度も吐き出されたそれを松里は指ですくい、口に含む。
ぺろりと咥内で舐めとりながら、ずっと動かしていた玩具と、少年を見遣った。

「さて、春日井くん。予鈴がなるまであと5分ほど―――何回イケるかな?」

悪魔のように美しい松里の声が響くが、少年は快楽の彼方へと追いやられておりまたもや回答は得られなかった。
かわりに、わずか数分で再度の射精があり、この日の昼休みは終了を告げた。



「じゃあ、午後の授業頑張るんだよ」
「………」
「かったりーな」
「………」
ばいばい、と軽く手を振る二人の男。
その背を見送り、少年―――春日井涼太はその場にへたり込んだ。
「………俺は……」
ノーマル、ノーマル、ノーマル――――……。
そんな呟きが延々と涼太の口からお経のように紡がれ、授業開始を知らせる本鈴にようやく涼太は我に返って腰に手を当てながら教室に向かったのだった。





END.


単に3Pが書きたかったというだけw
俺様鬼畜俺様ドSコンビによる平凡くん調教です
 
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