予測の元に目指す、その五秒後の未来について・2





「それじゃあ、まず何に乗るっスか?」
「うーん、そうだなー。涼ちゃんって絶叫物とか平気?」
「オールオッケーっス!」
「真ちゃんは?」
「俺も別に駄目という訳ではない」
「それじゃ、何乗っても大丈夫だな!よっしゃ!それじゃ早速!」
「行くっスね!」
「何処に行くのだよ」
「やっぱ最初はアレに乗っておかなきゃでしょー!」



「という訳で、さあ、来たぜ!ビック○ンダー!」
「やったっスー!」
「お前たちのテンションの高さは何なのだよ」
「さあさあ行くぜ、二人とも!西部開拓時代は待っちゃくれないんだからな!」
「意味が分からん」
「まあまあ、緑間っち。早く列に並ぼうっス!」
「分かったから、引っ張るな、黄瀬」
「このさー、待ってる間っていうのがさー、俺結構好きなんだよね」
「あー、分かるっス!」
「並ぶのが好きなのか。Mか。高尾」
「ちげーよ!?何でそうなるの?!だからさ、こう待ってる間に友だちと話したりして時間潰したりするのが良いっていうかさ」
「いつもの会話でも、なんか倍以上に楽しくなっちゃうんスよね」
「そうそう!やっぱり涼ちゃんは分かってる!」
「はは、カズ君、くすぐったいっスよー」
「はー、涼ちゃんの匂いってマジ落ち着くー。癒しだー」
「そうっスか?」
「そうっすよ!」
「カズ君が喜んでくれるなら、嬉しいっス」
「(ぎゃあああああ天使が!天使がいるよ!俺天使の腰に抱きついてるよ!やべえ!マジでやべえ!涼ちゃんやべえ!)涼ちゃ、ふべえっ!!!」
「いつまでそうしているつもりなのだよ、高尾」
「〜〜っ痛い!すっごく痛いんですけど!真ちゃん何なのいきなり!?背中思い切り蹴らないでよね!」
「お前が黄瀬にセクハラを働いていたから止めただけなのだよ」
「セクハラって!友情のスキンシップと言って欲しいんですけど!?」
「わわ、カズ君、大丈夫っスか?」(背中なでなで)
「っ!涼ちゃん!優しい!」(ひしっ)
「高尾、お前いい加減に、」
「ひゃんっ」
「!?」
「!?」
「や、ごめ、違、」
「(うわあああなんなの今の可愛い声?!涼ちゃんのだったよなあ?うわ涼ちゃん顔真っ赤)だ、大丈夫?涼ちゃん」
「うう、ごめんね、カズ君」
「何かあったのか、黄瀬?」
「あ、う、その」(もごもご)
「涼ちゃん、俺なんかしちゃった?」
「いや、その、〜〜あ、あのね、俺ね」
「うん」
「……俺、その、背中弱いんス」
「「……は?」」
「そ、それで今ちょっと擽ったかったから、変な声出ちゃっただけで、だからカズ君の所為じゃないっスよ?」
「いや、どう見ても高尾の所為なのだよ」
「っだ!痛い!痛いです!真ちゃん!許して!」
「許して欲しくば、さっさと黄瀬から離れるのだよ」
「分かったよー。ごめんね、涼ちゃん」
「俺こそごめんね、カズ君。緑間っち、大丈夫っスから」
「黄瀬、お前はもう少しその無防備なところをなんとかするべきなのだよ」
「え?俺無防備っスか?」
「その通りなのだよ」
「でも、大丈夫っスよ?」
「何を根拠に」
「だって、今は緑間っちも、カズ君もいてくれるんスもん。だから大丈夫っス」
「……(こいつは、だから心配なのだと、何度言ったら分かるのか……!)黄瀬」
「はいっス」
「絶対に俺たちから離れるなよ」
「勿論っス!」
「……ところで。おい、高尾。そこで何してる」
「カズ君?しゃがみ込んで、大丈夫っスか?」
「だ、大丈夫。ちょっとトキメキが天元突破しただけだから」
「?」
「阿呆なことを言っていないで、順番が来たのだよ」
「あれ!本当だいつの間に!」
「行くぞ、二人とも」
「はいっス!カズ君、行こ!」
「うん!」





「はー、楽しかったっスね!」
「俺的には真ちゃんが途中で眼鏡飛ばしそうになって焦っているのがすごく面白かったです」
「何を見ているのだよお前は!」
「まあまあ、二人とも。でも俺も久しぶりに乗ってすごく面白かったっス。並んでるのも時間感じないくらいで、やっぱり二人と一緒だと楽しくって俺すっごく幸せっス!」
「……(聞きましたか、緑間さん)」
「……(五月蠅いのだよ、聞こえている)」
「(どう思いますか、この天使発言)」
「(知らん、俺に振るな)……黄瀬」
「なんスか?」
「アイス食べるか?」
「食べるっスー!」
「(流石真ちゃん!動揺しながらもそれを表面に出さないポーカーフェイス、俺も見習わないとなー)あ、真ちゃん俺も!」
「お前は自分で買え」
「って、これさっき同じやり取りしたばっかだね!?」





20130206





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