「兄ちゃんはだな、心配なんだよ」
「何がだ?」
「…いいか、ルフィ、お前は海図も碌に読めやしない」
「そうだな」
「おまけに方向音痴だ」
「そうか?」
「…自覚を持て。お前この前もすぐに帰ってくるって出かけたまんま暫く戻ってこれなかったじゃねえか」
「帰ってきただろ?」
「時間掛かりすぎだろ!何時間掛かってるんだよ!」
「おかしなこと言うな、エース。俺は迷ってないぞ」
「…ああ、そうだな、お前はそういうヤツだ。だからな、ルフィ、俺は心配でしょうがないんだよ」
「だから、何をだ?」
「お前そんなんで、一人で海に出てやっていけるのか?」
「大丈夫だ!」
「…その根拠のない自身はどこから出てくるんだお前は…」
「なるようになるさ、心配するな、エース」
「無茶言うな…そんなん聞いて心配しない方がおかしいだろ…」
「だってな、エース」
「…なんだ」
「俺は海賊王になるんだ。そう簡単にはくたばったりしねえ」
「………」
「それに、本当にやばい時は、エースが何とかしてくれるだろう?」
「当たり前だ」
「ししし、だから俺は大丈夫なんだよ」
「そうか、いや、そうじゃねえだろ!話を反らすな!ルフィ!」
「腹減った!エース、飯!」
「阿呆!さっき食ったばかりだろうが!」




大丈夫なんだよ、エース

どんな波に浚われて、流されたって、

エースがいるこの海で、俺は迷ったりなんかしねえんだ





漂流

100306
……………………
…どう考えたって無理かもしれないって分かっているけれど、兄ちゃんにああ言って欲しかった弟と、
冷静に考えれば不可能だって知っているけれど、弟君にそう言われたらさも当然の様に答えてしまう(無自覚)兄。


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