分かり易く伝えると、
つまり自分はどうにも我慢が出来ないらしいということで、
「……それで?」
「案外難しい事だと知った」
「……まあ、それは分かりましたけど、」
それで、とケンジは続けた。
「ボクの今のこの体勢の意味がいまいち分かりかねますが」
「分からないか?」
「押し倒されていますね」
「そうだな」
「ボク、まだ今日の分が終わってないんですが」
「ケンジ」
「何ですか」
「ここ最近、仕事が立て込んでいたな」
「ええ」
「満足にケンジとの時間も取れなかった」
「そう、ですね」
だから分かるだろう?とラブマシーンは当たり前の様に言う。
「ワタシはケンジが足りないんだ」
さて、これ以上にない理由を前に出されたケンジには二つの選択肢がある。受け入れるか、断るかの二択だ。受け入れるなら、ただ頷けば事足りる。断るならばはっきりと一言、嫌、と返事を返せばいいだけだ。普通なら、選ぶまでもないと思うだろう。簡単なのだ。答えは。単純で、明快だ。
目の先にいるラブマシーンをケンジは見詰める。
本当に、こんなに近くに互いがいるのは久しぶりの様に思って、なんだか色々どうしようもなく思えてくるわけで。
断ればいい。だが、それが出来たら苦労はしないと誰もが思って、誰も簡単に口に出せないのだ。
「遅いんですよ、気付くのが」
何より我慢が出来ないのは、他ならない自分であると、認めるだけの時間はとうに過ぎているのだから。
不忍
111125
……………………
だったら最初から素直になってればいいのにね。
でもそんなケンジ君を見たいラブマだったりして、はいラブケンラブケン。