good night ended.





一番まっさらな気持ちで、
アナタに伝えたい言葉があるの






「ボクは、アナタの手が好きなんです」

寝入りばなに身を寄せ合って内緒話のようなヒソヒソ声で話す。内容はその日一日にあった事だったり、お互いの事であったり様々だ。

「アナタの手は大きくて、」

そして今日は珍しくケンジが自分についての話しをしてくれている。眠いのか、その瞳は細められ今にも蕩けてしまいそうだ。

「あたたかくて、」

自分の手にそっと添えられたケンジの小さな手を静かに眺める。たどたどしく動く指先の行く末が今は気にならない。

「この手がボクを救い上げてくれたんです」

その言葉を最後に止まった会話に顔を上げると、ケンジが自分の顔の間近で笑っていた。



「ラブマシーンさん、」

彼が呼ぶ自分の名前は、それだけで価値のあるものの様に思う。

「だからボクにとって、アナタの手は特別なんです」



言い切った、とばかりにケンジの瞼は静かに下ろされ、間もなく眠りの世界に誘われた。



「…………手、だけか?」

虚しく響いた自分の問いに答えをくれるべき存在は、穏やかな夢の中だ。


「なあ、ケンジ、」


それでも、これは囁かな前進と受け止めて構わないだろう?


いつか自分は、己の手にすら勝ってみせる



ケンジの身体を抱き寄せて、小さな宣戦布告を宣言した。












 
……………
ケンジ君からの告白









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