全てを捧げる朝 | ナノ


君の流す涙が、僕の為であると言うのなら、
僕にとってこれ以上に嬉しい事はないのです。




「だからってボクを泣かせていい理由にはなりませんけど」
真白いタオルに顔を埋めて後から後から零れてくる涙を拭うボクの目の前でニヤニヤと笑うこの男をどうしてくれよう。
「その顔、やめて下さい」

手加減なんてしませんよ?

「いいですね」

そう言うとカズマはケンジがその手に持っているタオルをひょいと取り上げて、現れたケンジの顔に微笑みかけると頬をぺろりと舐めた。

「っな、」

カズマのその行動に驚き、思わず声をあげてしまったケンジは、さっと頬を赤く染めると、咎めるようにカズマを見た。だが、

「本気のあなたはとても素敵だ」

続くカズマの科白に知らず脱力してしまったケンジは、もうどうにでもなれ、と寝心地の良いベッドに仰向けに倒れこみ、そんな自分を嬉しそうに覗きこんでくるカズマの鼻に思い切り噛みついてやったのだった。




全てを捧げる朝

100120

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…兎×栗鼠です。
うちの栗鼠は兎に負けません。

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