“男女交際”

私の思っている男女交際なるものは、あれなんです。世間一般的にいう、「好きです」から始まる男女交際なんですが…。

休みの都合があったら買い物いったり、帰り道に肉まんやあんまんを半分こしたりとかとか?

きゃーーー、照れるみたいな、嬉はずかしな展開があるものだと思っているのですが。どうも、これが私のお付き合いしてる彼にとっては違うようで。

「ん、手ぇだし」
『なになに、なんかくれるん?』
「おん、ええから手ぇだし」
『はい』

言われた通り、手を開いて彼の方へ差し出す。私の手の上に彼が手をのせる。


チャリン

あれ、丸くて薄くてとてもいっぱいあったら嬉しい音がしたな。

「ほな、俺にいつものジュースよろしゅうな」
『う?』
「だから、いつものお使いやって」
『もしもし亀よ、光さんよ』
「誰が亀やねん」
『もしや、光さんがいってるんは学校から結構離れとるスーパーからさらに右よ左よと曲がった先にあるコンビニ裏の自販機にあるあれですか!』
「他に何かあったっけ」
『いや、ないですね。そうでした、光さんに毎回何故か遠くまでジュースを買いにいかされてる私のガラスのように繊細なピュアハートが理解されることはないのでした。はい、行って参ります』
「訳わからんわ、部活が終わるまでに戻ってこいよー」

そう、この一応彼女なるものである私をパシりとする彼氏である、財前光。


同じクラスになったときに、一目惚れして二年になったとき勇気を出して告白。

「ええよ」
『え、ほんま!?』
「おん、じゃあさっそく明日なんやけど学食の限定10食の幻パン買ってきてくれる?」
『はい!!…………はい?』
「ほな、よろしゅう。あ、放課後教室まで迎えにいくわ」

告白成功した直後からパシらされてるんですが……。神様…これは、付き合ってるって言うんでしょうか?

まあ、なんであろうと好きな人のために働けるから私はいいんだけど。あと、光さんの部活終わるまでの暇潰し出来るし、ファンの人とも遭遇しないし…。
文句をいいながら私は走る。光さんのためにジュースを買いに。

『た、だいま……』
「お疲れさん」
『いえ、いえ光さんのためっす』

例のジュースを買い終え学校に戻ったのは、ちょうどテニス部の部活が終わったあたり。

ジュースを、渡すと光さんったら先輩もいるのに頭を撫でてくれたわよ。

「今週は頑張ったから今度の休みの日、うまい白玉ぜんざい食べにつれてったるわ」
『ほんま!?』
「おん」
『やったーー』
「着替えて来るから、待ってて」

そう言って部室に向かう光さんに手をふる。

こんな風に毎日パシられてる私ですが、好きになるとこうこきつかわれるのもまあ、いいかとか思ってしまう時もあります。

それに、たまにだけど光さんおすすめの白玉ぜんざいを食べにつれてってくれることもあるし。

いい具合に飴と鞭が使い分けられてるし。

「お待たせ」
『はーい』


肉まんあんまんを半分こにするとかいう、甘い展開は皆無だけど。

『なぁなぁ、光さん私らお付き合いしてますよね』
「当たり前やろ、アホなん」

これもこの人の愛情表現なのだろうと思えばいいのかもしれない。

(光さんすきや!)
(それも当たり前やん)


ほのか様よりリクエストしていただきました!ご期待に添えてれば幸いです。
書き直し等ありましたらお気軽にどうぞ!
リクエストありがとうございました(*´ω`*)



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