■ 取り合い

*写真家→夢主→←納棺師
*キャラ崩壊気味
*納棺師と付き合っている設定



サバイバー館のリビングでなまえはお気に入りに小説を読んでゆっくりしていた。お気に入りのソファに座りながらロマンチックな小説の内容に心を躍らせていると背後から目隠しをされる。生きている人であればあるはずの体温がその手には確認されなかった。それだけで相手が誰であるかはなまえは凡そ見当がついていた。


「ジョゼフさん、こんにちは」


目隠しをされている状態でなまえは目隠しをしている相手に笑顔で挨拶をした。それに機嫌を良くした相手はなまえの瞼を触っていた手を彼女の髪に移動させ指遊びを始める。遊びながら鼻歌も歌っているため今日の彼は相当機嫌が良いみたいだ。


「ふふっこんにちはなまえ」
「やっぱりジョゼフさんでしたか」
「そうだよ。愛しのジョゼフさんだよ」


そう言いながらジョゼフはソファの後ろからなまえに抱き着く。本当は拒みたいなまえだが、先日抱き付きを拒んだ際ジョゼフが自分ではないサバイバーに当たり散らしていた為申し訳なくなったなまえは今度拒むことをやめた。ジョゼフはそれを良いことに徐々にスキンシップが激しくなる一方である。
ジョゼフはなまえの首に頭を埋めてぐりぐりと甘えてくる。


「くすぐったいです。ジョゼフさん」
「君と二人っきりなんだからもう少しだけ甘えさせてよ」


`今日の君もいい匂い`と首元の匂いを嗅ぎながら抱きしめる力を強める。ジョゼフの手を見ると青い夜空のような手であった。成程、今日のジョゼフさんの衣装はアズラーイールである。
綺麗だなあと思いつつジョゼフの手をなまえが見ているとリビングのドアが開く。時間を見ると14時30分過ぎで、そろそろゲームが終わる時間であった。ドアが開くと立っていたのは赤いマスクを付けたイソップが冷ややかな目でジョゼフを見ていた。
イソップの今日の衣装はエクソシストである。


「ジョゼフさん、ここはサバイバーのリビングですよ。早くハンター館に帰ってください」
「やあ、イソップ・カール。ハンターがサバイバーと関わっいてはいけないというルールはない筈だよ?君こそ、嫉妬深い男は嫌われるよ?」
「それは貴方もですよ、ジョゼフさん。毎回毎回、僕がゲームを行ってるときになまえさんをたぶらかさないで頂けませんか?なまえさんは僕の彼女ですよ。負け犬は黙ってて指でも咥えててください」
「言ってくれるな、クソガキ」
「遠吠えは終わりですか?おじいさん?」


二人の間で火花が散る。他サバイバーが見たら、本来の彼らの性格ではありえないと思い吃驚してしまうだろう。しかし、なまえはこれが日常茶飯事なのでこうなっても驚きもしない。睨み合っている二人を余所にお気に入りの小説の続きを読んでいる。切りの良いところで栞を挟んで小説を閉じる。なまえはイソップの方を見て満面の笑みを向ける。


「お疲れ様、イソップ。試合はどうだった?」
「一人納棺できました。4人脱出の完全勝利です」
「よかった!頑張ったね」


なまえはジョゼフの腕から離れ、イソップの方へ向かう。そしてゲーム終わりの彼に称賛の声をあげ、少し高いイソップの頭を撫でる。撫でられたイソップは少し目を細め頬を赤く染める。それを見て面白くないのがジョゼフである。


「私にもなでなでしておくれ、なまえ」
「ジョゼフさんはゲームしてきてないですよね?」
「別に良いだろう?なまえからしてもらいたいんだ」
「ダメではないですけど…」


ジョゼフはなまえが撫でやすいように体を低くさせ、頭を向ける。少し戸惑いながらなまえはジョゼフの頭に手をのせ、優しく撫で始める。その光景を睨んで見ているイソップを横目で見ながらジョゼフはニヤリと挑発的な微笑みを向ける。
それにイラつき、イソップはなまえの撫でる手を取り無言でリビングを後にする。


「ちょっ、イソップ?!」


引きずられながら、なまえは部屋を後にする。部屋を出ていくなまえにジョゼフは「またね、mademoiselle」と笑顔で挨拶を向けていた。
イソップに引きずられてイソップの部屋の前に着く。部屋の中に入る訳でもなく、立ち尽くしたイソップになまえは声をかける。


「どうしたの?イソップ」
「なまえさん、僕以外の男にこう…、なでなでとかしないで下さい」


赤くなりながらもイソップはなまえに思いの淵を伝える。社交恐怖の彼は思いを他人に伝えることが苦手である。そんな彼の思いになまえは少し微笑みながら「分かった。これからは気を付ける」と話す。それを聞いてイソップの表情は明るくなる。


「なまえさんはいろんな人に愛嬌を撒きすぎです」
「そうかな?普通だけど」
「男は狼なんですよ。気を付けてください」
「それを言ったらイソップも狼になるよ?」
「今更何ですか?気付いてなかったんですか?」
「えっ…いや…その…」
「分かりました。なまえさんが男がどういうものか今から教えてあげますね」
「あの、イソップ君?いつもの社交恐怖は…?」
「なまえさんにはないですよ」
「えー…」
「さあ、中に入りましょう」


そう言われて、彼の部屋に連れ込まれるなまえであった。




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「リッパ―、女性に対しての関わり方を教えてくれ」
「おや?Mr.ジョゼフ。貴方からお願いとは珍しいですね?明日は大雪でも降るんでしょうかね?」
「私も君に聞くのは尺だが、どうしても落としたい女性がいるものでね」
「貴方にも愛を語ることがあるのですね…」


- end -

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