2019 | ナノ


向こうで見ていて
仄かに香る風のまんなか
そうじゃない こうじゃない
とおくあわく群青
意味と理由の泡
小洒落た気持ちも一匙だから

もう憧れの居場所はない
あはれあわれの紐を解く
勘弁の水が向く
極楽色の目眩の中で
ご充分に安堵
竜胆は群れざわめく
渋谷奥地のシベリアで
そうは言っても約束だから
ただ一人だけがこの道筋に
そして昨日が追ってくる

いつだってあんたが正しい
多幸感と眠りの微笑み
雲の坩堝に消えてゆく
眠りと終わりと現実と
省みよ、我が影を
清く深く淀みなく
正しさが為の過ちを
どの罪どの罰
足りないものは見つけたかい
欲しいだけじゃとまらない

崩れさる音は魂の唇に
無法の乾き
終点は霧の色
隣の青春
さよならの横できみは
ここからどこまで
やさしい夢だけみせてね
夢中の君には価値がある
そんな夜の日には
青白く深々と

絶望の切り売り
空と星のあわいに
手と手の慰め
正常な卵
お人形の指先
香水みたいに抱きしめて
雨下の不気味
嘘と現実まみれ
正義はさいなむ
薄闇とささやき


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