2018 | ナノ


月のきれいな雨の夜
そういう人を喪った
何もかもを理解しろ
眠りは孤独
忘れることは殺すこと
触れたら痛い
そんなあたりまえ
泣き顔で震えて
暖かいんだ、その心が

その予感を知っていた
雨が聞こえる
遥々どうもおめでとう
望み多き僕たちに
小さな心の吹き溜まりを巣食う
死にたいから死にたいし、殺されたいから殺されたいだけ
資格が無ければお前ではない
その夢だけを見れたなら
現で君に泣きたい
葡萄畑は青空

這いつくばりの下卑
首輪と色紐
これが素敵の始まりだと信じていたの
いずれ失うことの輝き
早々に失せろ
明日の訪れ
好意のはみだし
どうあれひとつは選べない
お前が皮肉を生む
報われなさを微笑む話

遠き旅路に君だけが立っている
この感情はどうれ
橙色の胸はずむ
今だけは陽の中で
まろく掠れゆく声に
なにもかもが傷みのなか
虚ろな世界とこんにちは
正しさが世界を満たす
ひとときを眠りたい
ハンカチーフの忘れ物

殺されたのは夏の私
いつだってそうやって苦しいものに蓋をする
だってまだ息をしている
孤独の部屋、君と目を逸らす
ひりつく悲しみ
物言わぬ友人
ただ目を閉じて
あなたとどこかで
三枚の手紙
あけのみよせのしるしはのぼる

沈黙が沈んでいく
残り香は薔薇の下で
今日と明日の日影の中で
色付く雨は微笑んでいる
捨てて見棄てろ
浮き世のこころ
終わらない夕べ
夏のままに君とある
掬われない子供たち
代替あいして

いぢけてみにくい
偽りの最中の夢を見る
夜のベンチに蹲る
数合わせの繋がり
導きの大地は見つめている
茜の雲がお前を赦す
つめたい心地
ひしゃげた男
無価値の意味
おどけてほどけたふたりきり


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