小説 | ナノ




lon.
03/06...⇒稲妻11 (絵+3
(log+4
太陽.白竜.雅野 .他


一周年イラリク企画!



DEPT.GO!



アンハッピーリフレイン(臨静)



ついてねぇ…そう思うのはこんなにも心地よい風がふく晴天の日に目の前に黒い雲が現れたからだ。
しかも現れたとたん器用に1つしかない口から散弾銃の弾のごとく言葉の雨を打ち付けてきやがった。

「シズちゃんってほんとナイフ刺さらないし自販機投げるし化け物だよねぇ。しかもすぐキレる単細胞だよ。何にも高校にいたときと成長をしないところなんてまさに単細胞の極みじゃないかっ」

ほんとについてねぇっ。
苛つきはもうすでに脳天にまで達しているわけで、近くにある標識のポール部分を掴むと身体に染み付いた動作を起こす。
「黙れ、ノミ蟲!!」
「おわぁっと、危ないなシズちゃん。いつもだけどね。じゃっ!!」俺が振り回した標識は府に落ちねぇがノミ蟲が華麗に避けやがって当たらなかった。
と、思えばそのまますぐにどこかへ逃げていこうとしてやがる。
こんな不愉快なやつはさっさとこの世から消え去るべきだよな。このイラつきが収まるまではノミ蟲を逃すわけにはいかねぇ。

*****

ほら、やっぱりだ。さすが単細胞のシズちゃんだけあるよねぇ。
俺はシズちゃんに対して思っていることのありのままをしゃべっていたのなのに怒りに任せて標識引っこ抜いちゃったよ。全く毎回毎回飽きないよね、そんなに公共物で俺を殴りたいのって今度言ってあげよう。
うわっ…今、標識が俺目掛けて飛んできたよ。危ないなあ。まあ俺にワンパターン戦法なんて当たるわけないけど。その標識避けたら壁に突き刺さっていたよ。よくもまあ走りながら器用なことができるものだ。
ところで、なんでシズちゃんは俺を追い掛けてくるんだろうね。俺が嫌いなら追い掛けるなんてしないで放っておけばいいのに。
だけど、それじゃあ意味がないだろ。シズちゃんにはどんな形であれ俺のことを考えていてほしいからね。俺が池袋に来るためにどれだけ毎回仕事をすばやく処理してるのことか。ほら、俺の名前をこんな街中で叫んでくれちゃってるよ。どんだけ俺のことで頭ん中いっぱいなんだ、シズちゃんは。公共のマナーさえ忘れちゃってる。
不本意だけどこれ以上、情報屋やってる俺の名前を大衆に聞かせるわけには行かないから、人の少ない路地裏にでもシズちゃんを誘導でもさせようかな。


*****

ノミ蟲、あいつ。
なんでこんな路地裏に逃げ込みやがる!ポイ捨てされたペットボトルとかゴミとかいつから乾いてないのかわからない水溜まりとかあっから幽から貰った服がちょっと汚れちまっただろうが。この分も殴らせて貰わねぇと気がすまねぇ。
あ?
今、地面じゃねぇ
壁が
近けぇ


*****

ああ、シズちゃん。足元はよく見ないとダメだよ。捨てられた炭酸飲料の缶踏んじゃって転けちゃってるよ。壁と地面とランデブーしちゃってあー痛そう。
「シズちゃん、ほんとに単細胞だよね。足元見ることもできないなんて。そんなに俺のことしか見てないの?」
「ああ゛?」
うあ…その顔。化け物そのものじゃないか。ナイフ出しとこう。
「見てんじゃねぇ…」
「えーシズちゃんが俺を見てて転けるなんて傑作じゃないか」
なんかもう起き上がった瞬間殴りかかってきそうだからそうなる前にシズちゃんの首筋辺りにナイフを構えておく。
「臨也てめぇ…そのナイフ離しやがれ」
「やだ。こうしてればシズちゃん俺しか見えないでしょ」
だって、シズちゃんが俺の目の前で手に入れられそうな機会なんて、学生の頃から逃げる側の俺には無かったじゃないか。
だから

「手放すわけにはいかないでしょ、シズちゃん」





――――――――――――
なんという思考が独り歩き臨也。

企画rhapsody様に提出させていただきました。
ありがとうございました。


topに戻る
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -