∴孫浦前提孫数、孫←浦
ようするに浮気もの。
藤内が不憫。
黒数馬注意。
嫌いな方はご遠慮下さい。









月明かりがあるせいかその二つの姿ははっきりと見えた。
しかし藤内はそのはっきりと表れる二つの姿を信じたくなかった。
孫兵と数馬が抱き合っているなんて。
それに数馬には孫兵のことで不安になると相談していたはずだった。
なんで、なんでなんで?、その言葉だけが頭の中をぐるぐると回転していた。

その時孫兵の肩ごしにいた数馬と目があった。瞬間数馬は藤内に向け口元を吊り上げ口を動かした。




ざ ん ね ん で し た




藤内は目を見開いたままその場に立ち尽くした。



「どうしたんだ、数馬?」

「ううん、何でもないよ。ねぇ、違う所に行かない?」



その言葉に孫兵はわかった、と言い数馬とその場を離れた。
最後に数馬は藤内の方へ振り向きまたあの笑みを浮かべた。

藤内はただ立ち尽くすしかなかった。



(愛されるべきは私だよ。なのに貴方はあの子を愛するの?)(私は人魚姫の二の舞にならない)






沫になんかなってやるものか!



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