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私の予想に反して、意外に
もクラスの人達が来てくれ
ていた。

ああ、悪いね。大して仲が
いい訳でもなかったのに。
そんな状況を見て浮かんだ
言葉に思わず自嘲の笑みが
漏れる。こう捻くれている
からお前に友人と呼べる存
在はいなかったのだ、と。

来てくれていた人達が帰り
始めた。やがて、誰もいな
くなる。

…一人を除いて。

そいつは私の遺影の前にじ
っと佇んでいた。何分もの
間。ちょうど15分くらい経
った頃だろうか。

「伊藤、いるんだろう?」

私が立っている方向に言い
放つ。見えて、いるのか?


「お前はよく、私には誰も
いないって言ってたよね」

「縋るところなんて、人な
んていないって」

「私が例え誰かを1番大切
に思ったとしても私は誰の
1番にもなれやしない、っ
て」


ああ、これは常日頃から私
が口にしていた言葉だ。

…誰に優しくされてもどう
せ皆上辺だけ。親友と呼ば
れる存在にもなれないし、
男女のソレにもなれない。





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