「で、一体どうしたの?」
紅茶片手に問う。
今日の紅茶はレモンティーだ。
これは私のお気に入りでもある。
「宍戸さんが…」
そう話を切り出した彼は、宍戸と
の関係に悩んでいるようだった。
四六時中一緒にいればお互い言い
たいことの一つや二つあるのだろ
う。 それが原因で宍戸と言い争
ったらしい。
それにしても、鳳くんは本当に宍
戸のことを慕っているんだなと改
めて思った。こうして話を聞いて
いても彼の口から出る言葉は宍戸
を責めるような愚痴ではない。む
しろ自分が宍戸に対して発した言
葉に自分で後悔している、という
内容だった。
「ふーん…」
「どうすればいいと思いますか?」
正直言うと、私は彼に対する答え
を持ち合わせていない。ここに来
た時点で、話出した時点で答えは
彼自身が持っているのだから。
「あたしはテニス部についてはよ
くわからないけどさ、」
んな泣きそうな顔しないでよ。笑
「話聞いてると、もう答えは出て
るんじゃない?」
「 」
「…!俺、俺、」
「行ってきな。言いたいことちゃ
んと言いな。後悔する前に。」
「風日さんありがとうございま
した!」
「おー、頑張んな」
彼の後ろ姿は来たときより堂々と
していた。
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