波紋
顔も性格も頭も良くてスタイル抜群?
そんな奴いるわけねぇだろ―…言いながら泥門のマネが思い浮かんだ。
「そんな完璧な人に彼氏居ないわけなくねぇ?すげぇイケメンの釣り合う彼氏が居るって。」
銀が言った意見に賛同。
でも…、姉崎って彼氏居んのか…?
「―あ?」
「姉崎って彼氏居んの?」
本人に聞き難くてヒル魔に聞いてみた。そしたら、
「俺。」
「カッ!?」
「信じらんねぇ?」
「………」
「……まもり、ちょっと来い」
「えっ!?なに?」
軽々しく姉崎を下の名前で呼んだヒル魔。
ヒル魔は姉崎の腕を取って熱烈なキスをしてみせた。
「―………!」
「ちょっとヒル魔君っ、」
「言うなよ?」
しれっと影響すっから、なんて言うヒル魔。
姉崎は赤くなって、帰ると言い出した。
ヒル魔はそれを止めようともせず明日な、と言って。姉崎は帰ってしまった。
「…………………」
「…大方…糞ニット辺りか?」
「…なんで…」
「お前はそんな素振りしてねーし、な?」
「……………」
まあ確かに、姉崎は美人だと思う。優しいし頭も良い。恋愛対象にならねぇのはなんでだろうな………
「つーか、お前一緒に帰ったりしねぇのかよ。俺呼ばなきゃいーだろ?」
関係を知った今、わざわざ呼ばれてる意味が分かんねえ。
「…そうだな…、」
「そうだなって…」
「お前見てると……」
ヒル魔は一旦そこで切って、暫くしてからなんでもねぇって言った。