パーティーへ
「ちょっと出てくる」
「そんな恰好でか?」
「うるせぇ、ちゃんと正装しねーとババァがうぜーんだよ」
似合わねーのは知ってるけど仕方ない。
「あぁ、そういや昨日紫苑も言ってたな」
「紫苑も来んの?王成も遅れてくるって言ってたし、会うの久々だな〜」
「しょっちゅー会ってんだろが」
顔だけ出すつもりだったけど紫苑も王成も行くなら少しぐらい居ても…
「早く帰って飯作れよ」
「分かってるって!」
「ビーフシチューな」
煮込み系かよーまあいいけど。
「了解。帰りに寄って材料買って来るから」
「おぅ」
「じゃ、行って来る」
「おい糞爬虫類!忘れモンだ」
「へ!?」
ぐいっと引っ張られて唇に熱の感触。
プチ、とボタンが外れる音がしてヒル魔の犬歯が首筋に突き刺さる。
「っ、」
痛みと快感が体を走る。
独占欲の塊みてーなご主人様。鏡で見た俺の首筋はシャツのキワにくっきり鬱血痕と噛み痕。
ギリギリ隠れる。けど。
「ヒル魔」
「早く行け、そんでさっさと帰って来い!」
「カッ!」
早く帰ると何があるんだろうな。嬉しいような怖いような。