調教
「あいつと関わるな」
「やだ。お前と違ってすげー優しーもん」
「あ゙ァ?」
ギロリと睨まれた。怖。でもホントのことだし。
「すぐぶつし殴るし蹴るし酷ぇし…」
サイテーじゃねぇか。
「…じゃあなんだ、ベッドでオヤサシイセックスでもするか?あ?絶対物足りねぇって言うぜお前」
「んなこと…ねェ」
たぶん。
「はッ、どうだか。いつも床でひっぱたかれてヒィヒィ啼いてんのはドコノドナタサンだよ。最初に言ったろ。俺すげー優しくねぇって。今更なんだよ」
「…限度、ってもんが…あるんじゃないでしょーか…?」
「お前も慣れてきてんだよ。自分が気付いてねーだけで」
うそだあ。でも自信持って口に出せねぇ。
「ベッドでお優しくお望み通りヤッてやろうか。絶対物足りねぇって言うぜ」
「フン、上等だっ」
「お前がねだって懇願しても優しく扱ってやるよ」
挿れてってねだりそう。でもたぶんだめって言われて…イけなくて半狂乱。これは目に見えてる、っつーかそんなんいつものことだし。でもなんだかんだいつもならイかせてくれるけど…
「ほらな、言ったろ。足りねェって、な?」
「………っ」
ヒル魔、って媚びたように呼んで。もっと、って。激しく、って。いつも通りに扱って欲しくてねだりそうになるのを必死で堪える。
たった1ヶ月で自分の躯がヒル魔によって、ヒル魔好みに変えられたことを実感して嫌になる。
「ァん…」
あん…じゃねぇよ。
***
「………恐いんだよ、ヒル魔が」
ほんの数ヶ月で自分の身体が変わったと実感せざるを得ない。
女とヤッても満たされない身体。男相手に後ろを弄られるとたまんねぇ。挿れてってねだっちまうぐらい、飢えてる。
乳首を弄られただけで感じまくってイける。俺を、そんな身体に無理矢理躾上げた張本人は今やアメリカ。
それなのに毎夜毎夜夢にまで見るんだ、ヤッてるときのこと。
よく知らねえ見知らぬ男とヤッてもキモチイイ。でもアイツだけは別格で。
トぶぐらい感じる。
暫く続いてた肉体関係に終止符が打たれたのは7月終わり。ヒル魔から。
あれから、一人遊びが増えた。前はほとんどすることも無かったのに。
何の躊躇も無くバイブを宛がうと、簡単に飲み込む。
誰かにヤッて欲しい。こんな玩具じゃ足りねぇんだ。
***
「あっ、ァ…ん、イィッ、もっとぉ…!」
久々の生のチンポを挿れてもらって、夢中でケツを振る。
淫乱。そう言ってケツを叩かれるのを思い出した。
勿論こいつはヒル魔じゃねーからそんなことをするはずもなく腰を振ってる。
「…あ!あッ、ん…ンっ…」
身体が、膣が、今でもヒル魔の抱き方を鮮明に覚えてていやだ。
はやく…帰って抱いて。じゃねーとお前のやり方忘れそう。