修羅場未満
「よーくん…誰…?このひと…?」
「……………」
「…………」
さいあくだ。
ヒル魔の第2邸―寝室―乱れたベッドに俺アンドヒル魔。プラスコンドームとティッシュとエトセトラ。
浮気、っつーかそれさえも怪しいけどこの状況はあれだ。『修羅場』。
ヒル魔はと横を窺えば脳内スパコンをフル回転させてるのか、暫く黙った後口を開いた。
「別にお前だけなんて言ってねぇだろ」
最低だ…
それを聞いた彼女?は、バシッとヒル魔の横っ面を叩いて―否、叩こうとして振り上げた手が空中で震えて止まった後下ろされ、その子は踵を返した。
「………お前なあ…」
もうちょっと言い訳するとか…例えそうでももっとなんかあるだろ。言い方とかさあ…
「お前は居るだろ?」
「…………居るけど…」
動く元気ねェし。
「じゃあもう1回しよーぜ」
「………マジで言ってる?」
俺結構疲れてんだけど。
「マジ」
ヒル魔が耳の後ろを擽る。
「…ヤろうぜ、ルイ」