卒業
卒業祝いと言って前日にくれた、ヒル魔のメアド。
卒業式が終わって、真っ先に保健室に向かった俺が見たのは銀とヒル魔だった。
「…あ。」
俺は渦巻いた感情に嫌な気持ちになった。
「サンキューヒル魔。ルイも聞いとけば?」
記念に、そう言って笑って出て行った銀。
「……何の話?」
「あーうるせェし最後だからな。メアド、お前知ってんだろ」
まだ登録もできてねぇけど。
「ぅん…」
「ありがと、ヒル魔…先生、」
「…ちゃんと連絡して来いよ?」
まだ俺がアドレス帳にも入れれてねぇのを知ってるかのような言い方に曖昧に返事を濁した。
Fin.