約束
「…なんで?俺ヒル魔のこと好きなのに」
「………あんま大人をからかうんじゃねぇよ」
「ヒル魔ならいいかなって」
「…………“先生”つけろ糞爬虫類、そうだな…10年早ぇよ」
「俺もう中学卒業だぜ…あと3ヶ月」
「そうだな」
「……………。じゃあさ、俺の誕生日…あとちょっとなんだ、25日!ヒル魔…先生から、おめでとうって言って…?」
最後の方は小さくなっていく声につい口が緩む。それでも、耳から首筋まで真っ赤にして俯く葉柱に悟られることはなかった。
「…ああ。そんときにまた来な」
引き締めてそう言うとありがとう!って言うのと同時にチャイムが鳴って、葉柱はパタパタと走って行った。
Fin.